約 969,144 件
https://w.atwiki.jp/sangamaki/pages/48.html
. 第1話 泉を励ます主夫京太郎 第2話 報われない努力家泉、容赦ない畜生京太郎 第2.5話 泉の結婚生活、京太郎の結婚性活 第3話 交わす泉、躱す京太郎 第4話 臍フェチ京太郎と泉 第5話 俺の恋人と愛人が修羅場すぎる 第6話 愛しき人との愛しき日々 最終話 結婚式
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6171.html
初美「ふいー、本家の大掃除は大変ですー」 巴「ハッちゃん、そういいながらさっきまでサボってたでしょ」 春「サボりは駄目……」ポリポリ 巴「春ちゃんも黒糖食べない!」 霞「ほらほら、姫様が頑張っているんだから、私達もやらなきゃ駄目よ」 初美「はーい。今日は泊まりですかー」 霞「そうね、分家の方々も泊まっていくそうよ」 小蒔「はい。で、ここはみなさんが泊まるための部屋です」 巴「あ、姫様。アレ?京太郎くん一緒じゃなかったんですか?」 小蒔「外まで迎えに行って、さっきまで一緒だったんですけど……おばさん達が連れていっちゃいました」 霞「あぁ、京太郎くん人気者だからねぇ」 初美「じゃあその鞄は」 小蒔「京太郎くんのです。これだけはどこかに置いててくれ、って」 春「それが、京太郎の最後の言葉だった……」 初美「さようならです京太郎……3日くらいは忘れません……」 巴「いや京太郎くん死んでないからね?後ハッちゃん3日って短くない?」 霞「冗談もそれくらいにして、部屋の掃除やっちゃいましょう。小蒔ちゃんも、京太郎くんの荷物はその辺りにでも置いて」 小蒔「はい、わっ!?」ズルッ ドサッ 巴「ひ、姫様!?大丈夫ですか!?」 小蒔「は、はい……足がすべっちゃいました」 霞「あらあら、鞄の荷物も散らばっちゃって」 初美「早く集めてしまうですー」 春「ん……ん?ノート?」ペラッ 小蒔「どうしました?」 春「これ……」 4月×日 やっと引っ越しの片づけが終わった 日記も新しくしたことだし、改めて書いていこう 俺の高校進学と合わせるように、長野から鹿児島まで親父の仕事の都合で引っ越すことになった いきなりでびっくりはしたが、まぁ仕方ないか こっちにはかなり遠縁だが親戚も結構いるとのことだ 俺もガキの頃に何度か来たことがあるらしいが……全然覚えてねーわ まぁ会えるかも分からないし、、会ってもこれから仲良くなればいいだけか さすがに疲れたし、早く寝よう 霞「これは、京太郎くんの日記かしら」 巴「4月の、確かこっちに来たばかりの時ですね」 初美「これは……はるる!次です!!」 春「うん」ペラッ 小蒔「だ、駄目ですよ!!人様の日記を勝手に見るなんて!!」 巴「そ、そう!姫様の言う通り!」 春「……でも続き読みたそうにしてる」 初美「京太郎の意外な一面が見れるかもしれませんよー?」 巴「そ、それは……」 霞「初美ちゃん、正直私も見たいけどね?京太郎くんがいつ帰ってくるか分からないのよ?」 初美「うっ……」 春「……下手したら嫌われるかもしれない」 小蒔「…………」 巴「ですよね。じゃあこれくらいで……え?姫様?」 小蒔「zzz...zzz...」 初美「寝てる?」 霞「いや、これは……何か降ろしてる?」 小蒔「はっ!?い、一体……」 霞「小蒔ちゃん?どうしたの?」 小蒔「い、いえ……その、何か声が聞こえたんです」 巴「声、ですか?」 小蒔「え、えぇと……『小僧はまかせろ。それより続き』って」 春「…………」 初美「えー……」 巴「神様公認?」 霞「こんなことで降りてくるって……」 小蒔「?」キョトン 春「……とりあえず」プルルルルル 春「電話?……京太郎から?」ピッ 京太郎『おー、春か?』 春「そうだけど……どうしたの?」 京太郎『いや、今おばちゃん達に頼まれて買い物に行ってるんだが……商店街の福引で特賞の黒糖1年分が当たってな?』 春「黒糖1年分!!?」 京太郎『おう。もうめちゃくちゃ量があるんだよ。いるだろ?お前の家にも送るわ』 春「うん、うん!!」 京太郎『あー、それでちょっと帰ってくるの遅くなりそうだから、おばちゃん達に伝えといてくれ』 春「分かった、まかせて。京太郎も黒糖よろしく」 京太郎『おう。あ、欲しい人いるかも聞いといてくれ。量がやばいんだ。じゃ、後でな』ピッ 春「黒糖1年分……」 初美「はるるー?帰ってくるですー」 巴「……神様が言ったまかせろって、こういうこと?」 霞「みたいねぇ……もう読むしかないわね」 小蒔「い、いいんですか?」 霞「えぇ。ここは神様の好意に甘えましょ」 春「じゃあ……続きから……」 4月○日 今日は親戚の家に挨拶に行った といってもうちはそこの分家の、そこの遠縁で親戚と言えば親戚?、というレベルらしい ただ、本家の偉い人と親父が仲が良いらしく、親戚というより親父が昔の友達に挨拶に行ったという感じだ 本家の偉い人もそんな感じだった。なんかめっちゃ由緒正しそうな神社の人なのにすげぇフレンドリー 適当に親父達が話していると、巫女服のすばらなおもちの持ち主が来た なんでも偉い人、めんどくせぇおっちゃんでいいか。おっちゃんの娘さんらしい 名前は神代小蒔さん。ひとつ年上で、永水に通っているらしい なんか天然っぽいけど、可愛い娘だった 挨拶に来ただけらしく、自己紹介くらいですぐにどこかに行ってしまった 残念だ。もっと話してみたかったのに まぁ親父とおっちゃんが仲良さそうだし、また会う機会もあるか 初美「ほ、本家の姫様のお父さんをおっちゃん呼ばわりですかー!?」 巴「怖いもの知らずと言うか……すごいわね」 霞「そうよねぇ……小蒔ちゃん?どうしたの?」 小蒔「じ、実は……この時まだ男の人と話すことに慣れてなかったので、失礼なことをしたかもって思ってて……」 春「京太郎は気にしてない」 小蒔「ええ……安心しました」 4月△日 今日は入学式……だったけど 今年から共学の元女子校とか聞いてねーぞ!! 家からの近さと親父の勧めで選んだけど、男女比やべぇ つーか男子10人もいないんじゃねーの?浮くっつーか目立つわ でも女子のレベルは高い。親父ありがとう とりあえず入学式が終わった後クラスで自己紹介した 中高一貫なのか、女子はみんな知り合い同士って感じだった だからか、俺の隣の席の女子が黒糖ポリポリしてても誰も突っ込まなかった いいのか?つーか立派なおもちだ 放課後、クラスの数少ない男子と仲良くなり、今日はそこで帰った 明日から部活動の見学などできるらしいが、ほとんど女子の部みたいなここでどっかに入部できるのか? ただ、ハンドボール部は無さそうだった 春「……ファーストコンタクト」ポリポリ 小蒔「む、私の方が先です!」 春「……同級生と同じクラスは大きい」ドヤァ 初美「ずるいですよねー」 巴「こればっかりはねぇ」 霞「ところで一応授業中みたいなものよね?そんな時に黒糖はどういうことかしら?」 春「…………京太郎の勘違い?」 霞「一袋没収」 春「!?」 巴「いや、ショックみたいな顔しながら新しいの取り出さないで」 4月□日 今日は授業が終わった後、友達と各部活動を見学に行った ただ、体育会系の部はほとんどが女子の部のようで、男子の人数的にマネージャーのようになりそうで入部は難しそうだった でも、揺れるおもちや健康的なふともも等収穫はあった 適当に友達と別れた後、適当にふらふらしていると、眼鏡の真面目そうな人と、制服を着たちっこい子供?が何か部活の案内をしていた 少し気になったので声を掛けると、麻雀部らしい 麻雀のルールや役くらいは知っていたので、せっかくだからと見学しに部室まで行ってみた ただ、時間が遅かったのかあまり人はいなく、結局眼鏡の人と子供相手に三麻した さすがに勝てはしなかったが、なかなか面白かった 1局しかできなかったので、また明日来ると約束して帰った 名前聞いてないけど、明日聞けばいいか そういえばあの子供はなんなんだろう。それも明日聞こう 初美「…………」プルプル 霞「あらあら……」 小蒔「え、えっと……」 巴「あ、あはは。あの時こんなこと考えてたんだねー」 春「……1袋、いる?」ポン 初美「そんな同情いらないですー!!子供!?3年生の制服だったですよー!!」 小蒔「ほ、ほら!初美ちゃん若く見えるから……」 巴「姫様、それフォローになってないですよ」 霞「この時いなかったのが少し惜しいわね」 初美「京太郎ー!!」 4月●日 今日は友達に水泳部に見学いこうと誘われたが、昨日の約束通り、授業が終わってすぐ麻雀部の部室に行った 今日は人数がそれなりに揃っていて、もう入部を決めた人もいたようだった。隣の席の黒糖っ子もいた 見学者以外は自己紹介してくれた 昨日の眼鏡の人と、子供は、3年生だった。マジかよ、主に子供の方 眼鏡の人は狩宿巴さん、子供、いや、ちっこいのは薄墨初美さんというらしい 次に2年生の紹介だったが、その中に神代小蒔さんがいた 俺に気付いてくれたようだったが、さすがに会うのも2度目なので特にリアクションなどもなかった そして1年生、黒糖っ子は滝見春というらしい それからは実際に打ったり、色々話してくれたりだった なんと、永水の麻雀部は去年全国まで行ったらしい そんな強豪に男子1人入部ってのは難しいかな そう思って入部は止めようと決めかけた時だった 遅れていたという部長が部室に入ってきた それは、俺の妄想を遥かに超えたものだった 去年、麻雀のインターミドルにえらいおもちの美少女がいた。というかその娘のおもちのためだけにインターミドルの試合を見ていた それを余裕で凌ぎ、圧倒的な存在感を主張していた その人は、とんでもないおもちを持っていた 友よ。俺、水泳部の見学はもういいよ 俺は麻雀部への入部を決めた 初美「入部のきっかけはこれですかー!!」ガシッ 霞「ひゃっ!?ちょ、いきなり!?」 初美「これの!これのどこがいいですかー!!」モミモミモミモミ 霞「いい加減に、しなさいっ!!」ゴッ 初美「あいたっ!?うぅぅ……あんな脂肪……あんな脂肪……ちょっと分けて欲しいですー……」 小蒔「え、えと……霞ちゃんのおかげで、京太郎くんが入部した、ということですよね?」 巴「まぁ、そうとも言いますよね……」 春「……京太郎のすけべ」 霞「全くもう……」 4月◇日 麻雀部に入部して1日目 基本的なルールと役は知っていたので、まずは打たせてもらった 相手は黒糖、いや滝見と2年生の先輩と、部長である岩戸霞さんだった 結果は惨敗。トップは部長で、滝見は麻雀をやっていたのか2位だった とりあえず基本的なことを教わったり、1年生がやるべき雑用などを聞いたりした 先輩から言われたが、男子は俺1人だから、俺は力仕事が多いかもしれないとのことだ まぁ当然のことだろうし、別にいい 雑用も苦じゃないし、みんな優しいし、男子1人だがなんとかなりそうだ 他の男子のみんなも、結構バラバラの部にいるらしい 固まるかと思ったが、みんな自分の好みのところに行ったのだろう 既に夏場に写真の交換をすることは決まっている みんな、頑張ろう!! 小蒔「写真?みなさんの活躍のですか?」 巴「……きっと、そうですねー」 霞「男の子って……」 初美「下心みえみえですー」 春「……多分対象外」ポリポリ 初美「どういう意味ですかー!?」 4月18日 今日は休みだったが、親父が朝から釣りに出かけて、珍しく大物を釣ってきた なんかでかい魚だった 捌いて食うのかと思っていたら、親戚の娘さんが誕生日らしいので持っていけとのことだった かなり無理矢理、家から叩き出された。親戚の場所しか教えられなかった 仕方ないので魚をクーラーボックスに入れ、親戚の家まで行った その親戚の家に滝見って表札があったとこで、まさかと思った インターホンを鳴らすと滝見春が出てきた。黒糖片手に 無効も驚いていたが、こっちも驚いた どうやらうちの遠縁の親戚というのは、滝見の家だったらしい 滝見の母親……おばさん、でいいのか?にはなんか歓迎された 親戚と言っても、俺は今までほとんど会ってないようなものだし、魚置いてさっさと帰ろうと思った だが、おばさんから引き留められた。どうせだから上がっていかないかと 結局断りきれず、上がることになった。滝見は俺に無関心なのか、ずっと黒糖ポリポリしていた。そんなに美味いのか? 上がってから、まずクーラーボックスから魚を出すと、予想以上の大きさだったのか、おばさんは驚いていた 捌けるかしら?と言っていたので、俺が捌くか申し出た これにはおばさんも滝見も驚いていたが、長野に居た頃、とある執事に教わったことだ。すぐに捌いた おばさんは喜んでいたし、滝見も俺を見る目が変わったような気がした そういえば、親戚の娘って言ってたし、滝見の誕生日だったのか、と思い出し 「誕生日おめでとう。生臭いプレゼントで悪いけどな」そう言うと、滝見は一瞬きょとんとした後、ツボに入ったのか声を上げて笑い出した ちょっと笑いすぎだったので、切り身のはじっこを口に放り込んでやった。また驚いた顔をしたが、親指を立ててきた。美味かったらしい その後は簡単に切り分けて、他の分家の子が明日誕生日だから持って行ってあげて欲しいと頼まれ、持っていくことになった 滝見とは、別れ際に連絡先を交換した。後黒糖くれた 持っていった先は、中学生にしては中々将来性のある娘がいる家だった 岩戸、って部長と同じ苗字だったが、さすがに今度は部長はいなかった 巴「誕生日プレゼントが生魚って……」 小蒔「美味しそうですね!」 春「新鮮で美味しかった」グッ 霞「そういえば明星ちゃんも『かっこいいお兄ちゃんが魚持ってきた』って言ってたけど、これだったのね」 初美「というか京太郎魚まで捌けるんですねー。後誰ですかこのとある執事って」 4月▽日 最近春(本人が名前でいいと言った)とよく話すようになった 俺が神代さんと会ったことがあると聞いた時も少し驚いていた 春と話している内に色々と聞いた 神代さんの家が本家で、春、石戸霞さん、薄墨初美さん、狩宿巴さん、の家が分家で、「六女仙」と呼ばれているらしい また、中等部にも2人いるらしい そんな家の人とうちの親父がなんであんなに仲良いんだ 後、神職の家系だからか、不思議な力もあるらしい。それで去年は神代さんは全国で大暴れしたとか 麻雀で不思議な力……正直半信半疑だ なので、今日の部活で神代さんと対局してみた さすがに初心者の俺じゃ勝てなかったが、神代さんは3位だった すげー真面目で頑張り屋という感じだったけど、本当に不思議な力ってのはあるのか? 帰りに春にまた聞くと、多分近い内に見れる、らしい どういうものか知らないけど、少し楽しみだ 初美「あっ、これって……」 巴「確か……」 霞「ええ、確か4月に集まった時……」 春「……ちょっと悪いと思ってる」 小蒔「え、えっと……」 4月■日 今日は春に呼び出されて、とある神社に行った そこには春だけでなく、石戸霞さん、薄墨初美さん、狩宿巴さん、そして神代小蒔さんもいた なんでも、たまに全力を出さないといけないとかそういう理由らしい よく分からなかったが、前に言ってた不思議な力とやらが見れるならいいと思って、打ったんだ 打ったんだ…… 役満って、あんなに連続して直撃するんだな…… 何か強すぎたとか、一番強いの降りちゃったとか聞こえた気がするが、俺はその時始めてみた天和に驚きすぎて覚えてない うん、不思議な力とかオカルトとでも言わねーとどうしようもないな 疑ってごめんなさい 小蒔「なんというか……男性の方と打つことに緊張して……」 巴「いや、姫様は悪くないですよ」 霞「そうね、結構強い神様が降りるのは分かっていたしね」 初美「ただ……その中で一番強くてすごいのが降りちゃっただけですよねー……」 春「それを一身に受け切った京太郎をある意味尊敬する」 初美「全部京太郎に直撃でしたよねー……アレで麻雀辞めなかったのは本当にすごいですー」 霞「ある意味オカルトよね」 巴「本人が聞いたらどんな顔するんでしょうね」 小蒔「喜ぶんじゃないですか?京太郎さんなら」 4月◎日 今日部活に行くと、石戸さん、狩宿さん、薄墨さん、神代さんからえらく気遣われた 春もなんか一日気を遣ってる感じだった 昨日のアレのせいか? びっくりはしたが、不思議とそれで麻雀が嫌になったりとかは無かった むしろ慣れたような感じだ だが、みんな気を遣っているせいか、今日は打たせてもらえなかった 雑用等を詳しく教える、ということで、ずっと雑用をしていた 別に苦ではないし、嫌いじゃないからいいが、ひとつ終わらせる度に驚かれたのはなんでだ? 後、全自動卓のメンテナンスについて、最近覚えたので軽くやってみたが、余計なことだったか? 帰り道で春が更に気を遣ってか黒糖をくれたが、変なミスでもしたかな? 巴「いや、初めてなのに手慣れた様子で素早く雑用片づけたら驚くからね」 初美「調子の悪かった卓をいじりだして、すっごく良くなったのはびっくりですよー」 春「……他の1年の娘が、『もう京太郎くんだけでいいんじゃないかな?』って言ってた」 小蒔「すごいですよね。負けられません!」 霞「小蒔ちゃん、そこ張り合うところじゃないわよ」 4月☆日 昼休み、ふと昨日いじった全自動卓が気になって部室に行くと、髪を降ろした狩宿さんがいた 狩宿さんは昨日の牌譜が気になったらしい 俺も全自動卓が気になったと言うと、昼休み始まったばかりで雑用は駄目だと怒られた ちょうど俺も狩宿さんも昼がまだだったので、一緒に食べた 食べながら色々と話した こっちに来てからのこと、長野のこと、永水のこと、狩宿さん達『六女仙』のこと 聞くと、石戸さんや薄墨さんも神代さんのような不思議な力、オカルトとでも言うか、それがあるらしい 狩宿さんは今のところ目立ってそういうのがないから、今日のように牌譜を見たりしているらしい 俺は初心者だし、オカルトみたいなのより狩宿さんのがいいかもなー そう言ったら、今日の部活でまた基本的なことを教えようかということになった ありがたくお願いした そこで昼休みの予鈴が鳴った 慌てて狩宿さんは髪をポニーテールにして、部活で、と言って別れた しかし、髪を縛るってなんかいいな 部活で宣言通り基本を教わった まずは基本から頑張っていこう 霞「あら、巴ちゃんもやるのね」 春「こっそり2人っきりとは……」 巴「や、やましいこととかしてないからね!」 初美「そう言いながらー?」 巴「本当だから!」 小蒔「私も京太郎くんに教えれば!」 春「……姫様はむしろ教わる立場」 小蒔「あぅ……」 4月★日 久しぶりに咲から連絡があった なんでも麻雀部に入ったらしい 俺も実は入ったと言うと驚いていた てか咲の奴麻雀できたのな。ポンコツだから、牌倒したり凡ミスとかしてねーよな? 言ってくれれば1回くらい打ったのに ネト麻で、とも考えたが、咲じゃ無理か。今だに連絡は家の電話だし それから久しぶりに長話をした 咲の進学した清澄高校のこと、俺のいる永水のこと、同じ麻雀部の1年生のこと 長野の居たら、前みたいに咲と同じ学校に行っていたのかな 少しだけ考えたが、すぐにやめた また連絡することを約束して電話を切った なんというか、まだ一ヶ月くらいしか経ってないのにえらく懐かしくなったな 長期の休みに長野にでも行ってみるかな ……気が早いか 霞「清澄の大将……こんなところでも……」 春「なんて強敵……」 小蒔「で、でも今京太郎くんはこっちにいるんですし!!」 巴「心はあっちに、とか?」 初美「ちょ、怖いこと言わないで欲しいですー」 咲「っくしゅん」 久「あら?風邪?」 咲「いや、大丈夫です」 まこ「埃かなんかじゃろ。倉庫は掃除しとらんかったからなー」 優希「全く大掃除は大変だじぇ」 和「普段からしていれば、いえ、5人で精一杯でしたし、無理を言ってはいけませんね」 咲「うん……京ちゃんが居たらなぁ……」 久「結構聞く名前だけど……やっぱり元カレ?」 まこ「いやー、アレは片思いじゃろ」 咲「そ、そんなんじゃないですよ!!もう……」 5月×日 ゴールデンウィーク1日目 今日は福岡の新道寺女子との練習試合らしい なんでもあっちは合宿でこっちに来たらしく、去年すごかったうちと是非練習試合がしたい、とのことらしい 新道寺の部員とレギュラー候補という人達を見たが……胸はうちの圧勝だな 新道寺とうちで試合のような形で打った後、各自で打つことになった 女子校の新道寺と元女子校永水、その中でただ1人の男子の俺はやっぱり珍しいみたいで、新道寺の人達からやけに打とうと誘われた 新道寺の部長や、新道寺の2年生の人とも打った。案の定、ボッコボコにされたが 飛ばされた後、しばし休憩していると、新道寺の人が話しかけてきた その人も、さっき神代さんと薄墨さん相手に飛ぶ寸前までやられていた人なので、お互いボッコボコにされたからか少し話しやすかった 俺が長野からこっちに来たということを言うと、その人も中学まで長野に居たらしく、更に話が弾んだ それからしばらく話した後、2人で新道寺の部長とうちの部長がいる卓で打った。無論、俺は飛んだ 練習が終わった後、改めて自己紹介し、その人、花田煌さんと連絡先を交換した お互い前向きにやっていこう、と話して別れた 俺も花田さんに負けないくらい頑張ろう 霞「確か、この人相当精神が強い人よ」 初美「ですねー。インハイでもあの宮永照を2回凌いでますし」 巴「1回あれだけやられて、2回目もまた打てるってのはすごいよね」 小蒔「えぇ。同じ先鋒、もし当たることになっても負けません!」 春「……胸は姫様の圧勝」 小蒔「は、春ちゃん!!」 初美「……私、新道寺応援するかもです」 5月○日 咲から聞いたが、同じ麻雀部にやけにタコスを食い、タコスでパワーアップするというのがいるらしい 変なのもいるもんだ。しかしなんでタコス?メキシカンか? ふと気になって、タコスを作ってみた 何故か、やけに手際よく作れた。まるで、前に作ったことがあるみたいだった ちょっと多めに作ってしまったので、春に連絡して食べないか聞くと、ちょうど神代さん達も春の家にいるというので、持っていった 春の家には神代さん、石戸さん、薄墨さん、狩宿さん、それから前に会った中学生、石戸明星ちゃんに、こっちは初対面の十曽湧ちゃんと、結構大人数だった 神事か何かがあったらしく、ちょうど昼食をどうするかというところだったらしい タコスを食べたことないような人達に振る舞っていいのか少し悩んだが、今更無しとも言えずに食べてもらった 初めはみんな恐る恐るという感じだったが、一口食べると結構美味しかったらしく、持ってきた分はすぐになくなった 1人ひとつくらいしかなかったしな 中学生2人はむしろタコスが気に入ったらしく、また作ってと言われた 他のみんなも美味しかったと言ってくれた 試しに作ったタコスだが、持っていって良かった また作ってもいいかな 初美「あの時初めて食べましたけど、びっくりするくらい美味しかったですよねー」 巴「京太郎くんが料理上手だったのもさらにびっくりしたわね」 小蒔「ですね。あんなに美味しいから清澄の先鋒の人も食べてたんでしょうね」 霞「そうね。作ったきっかけはその人みたいだしね」 春「……次は黒糖で一品お願いしたい」 初美「しょっちゅう頼んでないですかー?」 5月△日 昨日、日記に書かなかった話だ タコスを持っていったとき、たまたま付いていたテレビでプロの試合をやっていた その時、トップだったのが戒能プロだった 戒能プロの変幻自在のプレイを見て、どうやったらあんなにできるんだ、とポツリとつぶやいた そして今日 春に呼び出されて春の家に行くと、戒能プロがいた 「ハロー。戒能良子です。ヨロシクー」 「……従兄弟の戒能良子さん。麻雀のプロだったりする」 1回開けた戸閉めたけど、俺は悪くないと思う 春曰く、たまたま近くに居たので呼んだらしい 昨日のタコスのお礼に、何かしたかったということだった ありがたいけど、せめて事前に言って心の準備をさせてくれ。マジで心臓に悪かった という訳で3人で打ったが、プロって次元が違うね 俺なんかじゃとてもじゃないけど敵わない 「キョータローくんはなかなかのものを感じます。まだまだビギナーなだけですね」そう言ってくれたのは少し嬉しかった 戒能プロはオフだったらしく、結局1日中3人で打っていた 途中で軽くつまむものに昨日作ったのと同じタコスを作ったら、戒能プロも驚いていた 本物のメキシカン顔負けとか言ってたけど、メキシカンのタコス食ったことあったのか? 初めはプロ相手で緊張していたけど、所々春の従姉妹だと分かるような部分があったりで、結構打ち解けられた 最終的には連絡先まで交換してもらった 「楽しい1日でした。タコスが実にデリシャスでした。是非またお会いしましょう。あ、春黒糖プリーズ」 そう言って春の黒糖を持って戒能プロは帰った 改めて考えてみると、テレビに映るようなトッププロと打ったのか……すごい1日だった でもフツーにメールしてくるからなんか実感がわかない 送ってくる写メが心霊写真っぽいのは……気のせいだろ 霞「そういえば良子さんも5月に来ていたわね」 初美「あの人には敵わないですよー」 巴「こっちのこと知り尽くしてるし、なんとかなるかもしれないの姫様くらいじゃない?」 小蒔「そ、そんなことないですよ!!良子さん相手なんて、無理ですよ!!」 春「姫様なら大丈夫、頑張って欲しい」 小蒔「春ちゃん……」 巴「……本音は?」 春「この時持っていかれた黒糖5袋の仇」キリッ 霞「はぁ……結局はそこなのね」 良子「♪~」 はやり「お、良子ちゃんご機嫌?」 良子「あ、はやりさん。ええ、そうですね」 良子「……高校生相手でも、逆光源氏プロジェクトって、ありですよね?」 はやり「……それ、ちょっと詳しく聞かせてくれない?」 5月□日 部室に行くと、謎の仮面?があった それがいきなり動き出すからビビったが、よく見ると、薄墨さんがそれを被っていただけだった 仮面はデカ過ぎ、薄墨さんは小さすぎてサイズあってねー だが、薄墨さんはどこかしょんぼりとしていた 話を聞くと、仮面?を綺麗にしていると、うっかり鼻の部分を折ってしまったらしい よく見ると古いものだからか、ところどころ傷や欠けているのが分かる むしろそのせいで不気味さも増している気もするが…… 割と思い入れのあるものだったらしいので、簡単な修理でよければできるかもしれないと言うと、薄墨さんは喜んで仮面?を俺にまかせてくれた 部活の方は今日は休むことにして、先生に聞いて廃材や工具などを借り、修理した 折れた鼻は付け替えた。そして欠けている部分を軽く削ったりして目立たなくしたり、塗装が剥がれかけている部分を塗り直したり、 薄墨さんの希望を聞いて装飾や色合いを変えたり、かなり思い切った修理になってしまった 最終的には、不気味さよりかなり迫力のあるようになってしまったが、薄墨さんが喜んでいるからいい……のか? 修理が終わった後、嬉しそうに仮面?を付けた薄墨さんが部室に行ったが、何人かの女子が悲鳴を上げて、ちょっとした騒ぎになった 石戸さんと狩宿さんにやりすぎと怒られた 帰りに、薄墨さんが今度お礼をするということで連絡先を交換した まぁ、喜んでもらったからいいとしよう でも、それ被って帰るのは新手の怪談になりかねないからやめた方がいいと思うので、全力で止めた 初美「いやー、おかげでアレ被って会場に行くとみんな驚くんですよー」 巴「そりゃね。見慣れてる私達でびっくりするくらい迫力あるのになってるんだし」 春「京太郎がやりすぎた」 霞「手先が器用だからって、あんな短時間でよくあそこまでやったものよね」 小蒔「ちょっと怖かったです……」 5月●日 今日は休みだったので、薄墨さんが仮面?修理のお礼ということで少し離れた街まで出かけた 初めていく街だったので色々案内してもらったが……薄墨さんは行く先々で子ども扱いされるのが不満だったらしい 薄墨さんが奢ろうとする前に、店の人は明らかに俺を見てくるし、服を見に言った時は 「お兄ちゃんと仲良いね。でもお嬢ちゃんにここはまだ早いかなー」と店員に言われていた 薄墨さんが無言で学生証を出す、さすがに謝ってきたが……ぶっちゃけ仕方ないだろう 喫茶店でも行った店の文句を言っていたが、頬膨らませて足プラプラしてて、どう見ても小学生です 不満そうにしていたので、これから薄墨先輩と呼びましょうか?と聞くと、少し考えて先輩は無しで初美でいいと言ってくれた 年上っぽく見られたいんじゃないのか?まぁそれが希望ならとこれからは初美さんと呼ぶことになった ついでに俺は京太郎と呼び捨てだった。いやいいけどね 帰り道、ほとんどの店で俺が払ったことが不満そうだったが、こういう時は男の俺が奢ると言ったら俯いて、分かりました、と言っていた その代わり学校の学食で奢ると初美さんは言っていたので、明日にでも学食で奢ってもらおう 霞「あら、初美ちゃんの初デートかしら?」 小蒔「で、デートですか!?」 初美「ち、違うですよー!?ちょっと出かけただけで……」 春「……それ、デート」 巴「完全にデートだね、ハッちゃん」 5月◇日 放課後、良子さん(本人がそう呼べとのことだった)から電話があった こっちにいるから、打たないかという誘いだった 当然プロの誘いを断る訳もなく、すぐに向かった ちなみに春は用事で無理だった 言われた場所に行くと 「ハロー。キョータロー、元気でした?」 「え?高校生の男の子!?ちょっと聞いてないよ!?あ……えと、小鍛治健夜です。一応、その、プロです」 元世界2位の小鍛治プロがいた なんで従姉妹だからって似たようなことしてんだよ!! 夢だと思って頬をつねるとか漫画みたいなことやっちまったよ!! 良子さんは「グッドリアクション」とか言って親指立てて満足気だったけど それから3人で打った アレだ、次元が違うとか、そういうレベルじゃない。なんだ、アレ。本当に同じルールでやったゲームか? 圧倒的すぎてやばかった。良子さんのおもちがなかったらやばかった。おもち見れたから持ちこたえたよ なんとか1回くらい和了ってやろうと思ったけど、無理ゲーすぎた 「やりすぎです。潰す気ですか。デッドエンドですか」 「人をデッドエンド扱いしないで!?というかデッド!?バッドエンドじゃないの!?」 そんな感じで良子さんが小鍛治プロに文句を言ったりしていたが、勉強にはなった……と思う 多分、うん。例え格上すぎる相手でも、大丈夫だ 「やっぱり見どころありますねー。いっそ個人レッスンでも始めます?手取り足取り」 「何言ってるの!?まだ学生だよ!?いや、見どころあるのは同感だけどね」 褒めてくれてるのかからかっているのかよく分からないが、一応喜んでおいた それからは一応アドバイス的なものを貰って別れた 別れ際、今後に期待できるから、またアドバイスできるようにと小鍛治プロが連絡先を交換してくれた その時は色々ありすぎて考えるひまなかったけど、改めて良子さんの時よりもっととんでもない人と連絡先交換したな…… 元世界2位よ?国内無敗よ?雲の上の人とかそういうレベルじゃないだろ ……これを書いてる今、良子さんからメールがあった 『小鍛治プロ、あんまり男性に慣れてないだけなので、フツーにフレンドリーにメールとか送っちゃってくださいね』 とりあえず、今日のお礼とか送っとこう 小蒔「あの小鍛治プロとですか!?やっぱり京太郎くんすごい人です!!」 春「こ、これは……知らなかった」 初美「フツー、麻雀初心者とトッププロが連絡先交換できますかねー」 霞「そこは京太郎くんだからよね。誰とでも仲良くなれるし」 巴「そういうところ、すっごいですよね」 健夜「えぇと……こ・ん・に・ち・わ……」 恒子「あー!すこやんが男とメールしてるー!!」 健夜「こ、こーこちゃん!?声!声が大きいよ!!」 恒子「ごめんごめーん。でもびっくりして、つい」 健夜「結構前から知ってるよね!?」 恒子「アラフォー、ついに高校生に手を出す?」 健夜「もおおお!そういうのじゃないよぉ!!」 5月▽日 今日は小鍛治プロ直々の個人レッスン……といっても小鍛治プロはこっちにいるわけではないので、ネト麻とス○イプを使ってだ パソコンとかできるのか少し疑問だったが、良子さんも一緒にやってくれるとのことだ 約束していた時間になると、早速かかってきた 『も、もしもーし?えと、小鍛治です』 小鍛治プロは慣れない感じで本当に聞こえているか恐る恐るという感じだったが、大丈夫だと伝えると安心したようだった じゃあ早速始めるか、という時だった 『こんばんわー!!呼ばれてないけど来ちゃいましたー!!』 『すこやーん!!よく分かんねーけど面白いことやるって良子ちゃんから聞いたぜぃ!!』 『抜け駆けして高校生に手ぇ出したって本当!?本当なら……紹介してねっ☆』 『……呼ばれた!!』 『え、ちょ、なんでみんな来てるの!?』 『ハハハ、大勢の方が楽しいですよねー』 『良子ちゃんー!?』 『それじゃー、噂のイケメン高校生を……あ!ちょ、すこやん切らな』 改めて聞こえた内容書いてみたけど、酷いな。後誰だイケメンっつったの。良子さんしかいないか 最後は無理矢理小鍛治プロが切ったらしい その後、結局はチャットしながらネト麻をした 何回も口調や打ち方が変わったので、おそらく押しかけてきた人達と交代しているんだろう つーかどっかで聞いたことあるような声ばっかだったな。それもかなりトッププロとかの 後で小鍛治さんはメールで謝ってきたけど、あんなに大勢にプロと打てたようなものだ。むしろお礼を言った でも、次は落ち着いてやりたいものだ 巴「なんかこの文章を見るだけでもすごいメンツがそろってるっぽいんですけど」 霞「そういうのでも引き寄せる体質でもあるのかしら」 小蒔「何か降ろしていたりするんでしょうか」 初美「ただの天然タラシじゃないですかー?」 春「でも増えすぎても困る……」 初美「ですねー」 5月■日 今日親父と口論になった 議題はナース服は白かピンクか 白衣の天使っつーくらいだから白だろ!! 親父は分かってねぇ!! 親父はピンクの方がエロいって言うがおっさんの理屈だ!! 結局は決着がつかないどころかどさくさに紛れて俺の秘蔵本をいくつかパクっていきやがった むかついたから夜中にこっそり取り返した 後、親父の秘蔵本のいくつかにお袋の顔の写真を張り付けてやった ランダムで親父が好きそうな女優に張り付けてやったから気付く瞬間のダメージは高いだろう ざまぁみやがれ 小蒔「ナース服の色……ですか?どうしてそこまで……後、この秘蔵本ってなんでしょう?大事な本ですか?」 巴「えーっと、ちょっとしたこだわりでしょう。秘蔵本っていうのは……まぁ、大事な本といえば大事な本ですよ」 霞「おじさんまで何やっているのかしら……」 初美「男の人って……」 春「……意味が分からないことで争う」 5月◎日 今日は1日空けてしまったから、2日分書くことにする 昨日の話だ 夕方、親父と殴り合いの喧嘩になった どうもベストタイミングで秘蔵本のがバレたらしい おまけに親父が最近はまってる女優にお袋の変顔だからダメージ倍増だろう 本片手に親父がいきなり部屋に来たのはびっくりしたが、全力で応戦してやった そしたら大きな音を立てすぎたのか、お袋まで部屋に来た 最初は止めようとしていたお袋だが、親父が持ってきた本を見て、修羅になった 俺と親父はお袋からフルボッコにされた後、仲良く家から叩き出された 流石にお袋に見つかったのは失敗だったとお互いに謝った後、財布も携帯も無い状態でどうするかという話になった 親父が仕方ないと言って神代さんの家に行くことになった 今日は多分家に入れてもらえないし、一晩くらいなら泊めてくれる、とのことだった 親父にとっては親友の家だが、俺にとってが先輩の家なんだが大丈夫か?と思っていたが、神代さんと本家の偉い人、要するにおっちゃんは普通に家に入れてくれた 昔からこんなことばっかりだ、と言っておっちゃんは笑っていた。親父、アンタ何やってきたんだ いきなり野郎2人も増えて申し訳なかったが、今日は用事があって、神代さんとおっちゃんの2人しかいなかったらしい 夕飯は神代さんが作る予定だったらしいが、泊めてもらうのだからと俺が手伝うことになった 親父とおっちゃんはすぐに飲みだしてた。まるで駄目なおっさん共め 台所で改めて神代さんにいきなり押しかけたことを謝ったが、たまにはこういう日があったもいいと普通に許してくれた 普段から思ってたけどマジでいい人だ……家から叩き出された原因絶対言えねー…… それから夕食を作った。神代さんは料理自体はできない訳ではないが、まだまだ練習中ということだった。実際まだ不慣れな手つきだった あんまり手を出すのもいけないと思い、別の料理を作っていたが、気付くと神代さんはこっちを見ていた どうも気になったらしい。まぁ普段いない人が台所にいる訳だし、気になるだろうな そう思っていたが、神代さんはおずおずと、俺に料理を教えて欲しいと言ってきた まぁ俺も色々教わってできるようになったし、そこからは神代さんに教えながら一緒に料理した 夕飯は和食中心のメニューにした。料理を並べていると、おっちゃんが驚いた顔をしていた そんな変なものや見慣れないものは作っていないはずだけどな 親父はなんか呆れた顔してたし、神代さんは色々教わったからか満足気な顔をしていた 夕飯、そしてその片付けまで終わり、風呂まで借りた後、夕飯後も飲んでるおっさん2人をほっといて寝ようかと思っていると、神代さんに呼ばれた 少し話さないかと、縁側に2人で座った それからは他愛のない話をした。神代さんはちょっとしたことでも反応してくれて可愛らしかった しばらく話していて、ふと神代さんは「……こんなに同年代の男の子と仲良くなったのは、初めてかもしれません」と言った 神代さんならきっといろんな人と仲良くなれる、だって優しくていい人だし。そう思ったしそう言った。 神代さんは笑って、「ありがとうございます」と言ってくれた 遅くなったし、寝ようというところで、これからは名前で呼ばないかという話になった 神代さんがいいと言うなら、と思って、小蒔さんと呼んだ 小蒔さんは京太郎くん、と少し照れたように呼んでくれた なんか照れ臭かったので、そのまま別れて、用意してくれた部屋でその日は寝た おっさん2人は俺が寝付く時もまだ飲んでいた 翌日、つまりは今日 休みで良かった。流石に一回家帰ってから学校行くのは間に合わない 飲んでたまま潰れたであろうおっさん2人は放置して、小蒔さんと朝食を作った あさりがあったのであさりの味噌汁と卵焼きにした。というか小蒔さんは何故かほとんど俺にまかせてくれていた そりゃ手伝ってはもらったけど、いいのか?なんか俺が作ってるとこ見ながらメモかなんか取ってたけど ちなみにおっさん2人にはあさりの味噌汁のごはんと卵入れて二日酔いに効くやつにした おっさんは「なんなんだよお前……ちくしょううちの親戚連中より美味い飯作りやがって」とか言ってた。酔っ払いの戯言だろう それからは片付て、ふらふらな親父引きずって帰ることになった 帰り際、小蒔さんと携帯番号を交換した。最近買ったらしい 帰ってから、親父はまたお袋に〆られていた。小蒔さんの家に迷惑かけるな、ということらしい ちなみに俺も反省のためかしばし正座だった 足、しんどい 霞「急に下の名前で呼び合うくらい仲良くなったと思ったら……泊まってたなんて」 小蒔「ち、違いますよ!?須賀のおじさんが仕方なく……」 初美「いやー、でもこれが原因ってのがちょっと……」 小蒔「?おじさんと京太郎くんがおばさんと喧嘩したんでしょう?ちょっと日記の最初の本がどうのというのはあんまりよく分かりませんでしたけど」 巴「あー……まぁそんな感じです」 春「でも京太郎とお泊りから料理……」 小蒔「そ、そういうことじゃなくて……その、料理は……京太郎くん上手ですし」 霞「上手ってレベルかしら?」 初美「別次元ですねー」 巴「あれで食べていけるんじゃない?」 春「……いつでもお嫁にいけるっておばさんが言ってた」 小蒔「少しでも上達したいですし……京太郎くんにも、食べてもらいたいです!」 霞「……みんなでお料理、練習しましょうか」 小蒔「いいですね!是非やりましょう!!」 霞(さすがに京太郎君があれだけ上手いとはいえ……) 巴(女として、このままってのは駄目ですしね) 初美(少しくらいは上達するですよー) 春(黒糖菓子練習しよ) 5月☆日 今日は、なんというか、小蒔さんの様子が変だった 朝は俺の家まで来て一緒に学校に行きましょう?と言ってきた 笑顔だったが、普段の安心するような可愛い笑顔でなく、妖艶という言葉が似合うような笑顔だった それだけならまだいいが、恰好もおかしかった 普段よりかなりスカートが短かった。普段見えない太ももとか見えてるし それと、登校中になんか腕を組んで明らかにこっちに寄ってくるし、やけに動く 落ち着いて考えることのできる今なら分かる。小蒔さんは今日、ノーブラだった!! あの服越しの柔らかさ、縦横無尽に揺れるおもち、明らかに付けていないっ!! 分かっていたらもっと堪能……いや、こっそり春や石戸さん辺りに伝えたのに 昼も、わざわざ俺の教室まで来て、外で一緒に食べよう、と誘ってきた それ自体は珍しいけど別にいい ただ、なんというか、エロかった こう、食べる時の動作ひとつひとつがやたらエロかった 今日に限ってお弁当に大き目のウィンナーなんか入ってるし うっかりお茶を自分の胸にこぼした時なんか、あきらかに狙ってるだろ!?と言いたくなるほどだった 部活の時もやたらと指導するという名目で背中に引っ付いてきたが、明らかに"あてている" 集中なんてできる訳がない!!なんか春に勝ったけど偶然だろう その辺りでさすがにおかしいと思ったのか、石戸さんと狩宿さんと初美さんと春に連れられてどこかへ行った 部活が終わる頃に戻ってきたが、いつもの小蒔さんだった やたら顔を赤くしていたが、すげー安心した 帰りに春と初美さんから叩かれたりしたけど、やっぱりいつもの小蒔さんが一番だ 初美「あー、確かうっかり寝ぼけて神様降ろした時でしたっけ?」 小蒔「は、はい……こう、ぼんやりとしか覚えてませんけど、すごく恥ずかしいことをしたというのは覚えています……」 霞「大変だったわよねー。神様も京太郎くん気に入っちゃって」 巴「祓うのすっごく大変でしたよね。神様の方が帰りたがらないなんて」 春「京太郎も危なかった……色々な意味で」 5月★日 今日は休みだったが、また良子さんに誘われて出かけた こっちにまた来たので食事でもどう?ということだった それはいいが、指定された場所があんまり聞かないところだった なんでも良子さん個人の知り合いがやっている店らしい 流石に俺でも分かる。またドッキリ的なことをやるのだろう。小鍛治プロに会ったなら、それ以上の人なんてそうそうに呼べるわけもない そう思って、指定された店に行ったんだ 「ハロー、お久しぶりです。あ、知り合いとか呼んじゃいました。テヘ」 「えっと、久しぶりだね。その、ごめんね?」 「よー、三尋木咏です。キミが噂の高校生?ほほー、こりゃ良子ちゃんとすこやんも夢中になる訳だねぃ」 「瑞原はやりです!はやりんって呼んでね☆」 「……野依理沙!!……よろしく!!」 「どーもー!福与恒子です!!いきなりごめんね?でも面白そうだからよろしく!!」 書きだしてみたけど、上から良子さん、小鍛治プロ、三尋木プロ、瑞原プロ、野依プロ、福与アナだ うん、酷い。大人数とか予想できねーよ つーか有名なプロばっかりなんで鹿児島にいんの?暇なの?良子さんがすごいの?いやすごいけど!! 扉閉めようとしたら福与アナに思いっきり止められた テレビで小鍛治プロいじってる時の笑顔だった 親指立てる良子さんと、申し訳なさそうな小鍛治プロが対照的だったな 卓も置いてある店なので、軽くつまみながら打とうということになったが、自然と俺とプロ3人 なにこの状態。すごい状態なんだけど色々ビックリしすぎてついていけなかった まずは三尋木プロ、瑞原プロ、野依プロとだった なんだろう、すっごいこっちの一挙一動見られてる感じだった 無論飛ばされた。トッププロ3人相手とか無茶すぎる 「んー、悪くはないねぃ。詳しいことはわっかんねーけど」 「うん、まだまだ初心者って感じが抜けきれないだけで充分素質はあるかな。じっくり色々学んでいけばいけるよ☆」 「……これから!!」 3人のプロそれぞれから評価はもらった。瑞原プロ、できれば最初の真面目な感じで続けて欲しかった。出してる麻雀の本とかすげー真面目感じで参考になるのに おもちはトップクラスだけどやっぱちょいきつい そこからは、普段の何倍も勉強になる時間だった プロ3人と打って、プロ2人が傍で見てくれるんだ。ただ、アナウンサーがちょくちょくからかってカオスな状況になったりしていたが 結局夕飯もそこで食べて、少しして帰った 帰り際、皆さんと連絡先を交換した。なんか、すごい勢いだった気がするけど…… しかしこっちに来て、プロに麻雀教えてもらって、プロとの連絡先まで知ることになるなんて 人生何が起こるかマジで分かんねーな 巴「三尋木プロ、瑞原プロ、野依プロ、福与アナの連絡先って……一体どうなってるの?」 小蒔「京太郎くんはすごいですね!!」 初美「姫様姫様、多分これそういうレベルじゃないですよー」 春「……狙われてる?」 霞「まさか……うん、だって良子さん以外一回りは離れてるし……ねぇ」 はやり「なるほどねぇ……でも京太郎くんは譲れないな☆」 良子「ハハハ、一番最初に目を付けたのは私ですよ?」 咏「えーいいじゃんいいじゃん。卒業したら私のマネージャーとして雇おっかなー」 理沙「それ……いい!!」 健夜「何勝手に決めようとしてるの!?」 恒子「おーっとこの男子高校生争奪戦にすこやんも参戦!?」 健夜「変なこと言わないでよ!!」 恒子「あ、でもうちの局にってのも悪くないかなー……」 健夜「恒子ちゃんまで!?」 5月28日 今日は初美さんの誕生日だった というのも部活前に春に聞いたんだが 誕生日だと聞いた瞬間、「へぇ、いくつの?」ノータイムでそう返してしまった 春も軽く笑っていたが、部室に入ってすぐ、扉越しに聞いてたっぽい初美さんから脛に蹴られた ちょっと涙目になった 周りも「分からなくもないけどお前が悪い」という感じだった 初美さんの機嫌を悪くしてしまったようだったので、急遽プレゼントを作った 石戸さんに少し部活を抜ける許可をもらい、春も共犯ということで黒糖を1袋もらった そこからは家庭科室に行き、料理部に少しだけ端っこの調理台と材料を借りた 小麦粉と卵とその他諸々、味付け用には春の黒糖、これだけあればすぐできる 簡単なドーナツ(黒糖味)が完成した 料理部の分も作って、すぐに麻雀部に戻った 戻った時もまだ初美先輩は機嫌が悪そうだったが、誕生日プレゼントといってドーナツを渡すと、驚きながらも喜んでくれた 多めに作ったので、部のみんなのも分けたが好評だった 一応、誕生日プレゼントは渡せたし、良かった良かった 春「アレは良かった。黒糖1袋渡した甲斐があった」 小蒔「すぐに作ってきたのがすごかったですね!」 巴「それでまた美味しいんですよね」 初美「私のために作ってくれたと思うとさらに美味しいですよねー」 霞「でも結局は好評すぎるから何回も作ってきてくれたわよね」 春「最高だった」 初美「むー……美味しかったけどそれは複雑ですー」 6月×日 今日は部活が終わって少し用があって残っていた 用もあらかた終わり、帰ろうかというタイミングで雨が降ってきた 鞄にいつも折り畳み傘を入れていて良かった、そう思って下駄箱まで行くと、石戸さんが居た 石戸さんも用があって残っていたらしいが、雨が降ってきて、傘も無くどうしようかというところだったらしい それを聞いて、折り畳み傘で、石戸さんが良ければ入っていきませんか?と提案した 小さい傘に2人は厳しいが、無いよりマシだろう 石戸さんは笑顔で了承してくれた 元々俺1人で使っても少し厳しい折り畳み傘、そこに2人はかなり密着しないといけない 要はアレだ。おもちやべぇ あのおもちをここまで間近に感じれるなんて!!今日はこの瞬間のためにあったのか!! しかし石戸さんを濡らす訳にもいかないので、傘のほとんどを石戸さんの方へやり、俺はかなり濡れてしまっていた だがいい。濡れて透けたおもちも見てみたいが、それをこんなところでやるのは流石に紳士じゃあない 何より男の俺が濡れないより、女の子が濡れない方がずっといいに決まってる 石戸さんと別れる時、石戸さんの家の方がまだ遠いと聞いて、傘を石戸さんに渡して俺は濡れて帰った 春「紳士……」 巴「何この去り方、かっこいい」 初美「目線が胸に無ければなおかっこよかったんでしょうねー」 霞「まぁ、そこは諦めてるわ。でも、背中から見て明らかに体の半分以上が濡れてるのが分かった時は結構かっこよく感じたわよ」 小蒔「素敵ですね」 6月○日 昨日濡れたせいか、今日は軽く熱が出てしまった おかげで学校も休むことになった 家に両親は居ないし、寝てれば治るとは言うが、1日寝てるのは暇だったので携帯で麻雀のアプリを軽くいじってた 寝たりアプリいじったりしていると、放課後の時間になったからか、春と石戸さんがお見舞いに来た 春は黒糖を置いて行った。予想はできたけど、本当に置いただけで帰りやがったあの黒糖っ娘め 石戸さんは昨日のお礼を言って、同時に自分のせいだと言っていた 気にしていないと言ったが、それでも無関係ではないということで、石戸さんが看病してくれることになった といっても熱は少しあるといったぐらいなので、寝てれば治るくらいだ。やってもらうほどのこともない それじゃあ、と石戸さんは言って部屋から出た しばらくしたらお粥の入った土鍋を持ってきてくれた 今日ほとんどまともなものを食べてないのがばれていたらしく、わざわざ作ってくれた 時間も中途半端だったので、とりあえず軽くもらったが、美味しかった お粥で美味しいって地味にすごくね?病人相手なのに 石戸さんは残りは夜にでも食べて欲しいということだった。無論食べた それからはゆっくりと話した。1日1人だったので、これが結構ありがたかった 何より近くにおもちがあるのだ。元気にもなる。無論健康面の方で しばらく話して、遅くなる前にと石戸さんは帰って行った 帰り際に、連絡先を交換した。それと何故か京太郎くんと呼ばれ、霞さんと呼ぶように言われた 少し迷ったが、試しに呼んだ時の笑顔でかなり可愛かったので霞さんと呼ぶことになった ま、いっか 初美「お見舞いですかー……私も行けばよかったですー」 巴「大人数で押しかける訳にもいかないでしょ」 小蒔「ところで、春ちゃんはなんですぐに帰ったんですか?」 春「……流石に私が居る前でお礼言ったりするのは恥ずかしそうだったから」 霞「感謝してるわ。おかげで連絡先も交換できたしね」 春(後プレッシャーすごかったし……それ抜きにしても2人きりがよさそうだったし……) 6月△日 今日は部の買い出しに狩宿さんと行った すこし分かりにくいとこにある店らしく、わざわざ一緒に行ってくれるらしい 必要な物をある程度買ったところで、学校に戻ろうかと言っていると、急に雨が降ってきた とりあえず買った物を濡らさないため、近くにあった喫茶店に入った 適当な席に座り、少し雨宿りすることになった 狩宿さんはこの喫茶店に何度か来たことがあるらしく、ケーキがおすすめだと言って注文していた まだ雨も止みそうに無かったので、俺も同じものを注文した そのケーキは確かに美味しかった。狩宿さんも少し機嫌よさそうに話してくれた たまたま見つけた店だが、結構いい店だった。近いものができないか家でケーキ作りをしてみたが、中々難しい、等 食べながら、ある程度なら再現できるかもしれないと言うと、狩宿さんは驚いたように本当か聞いてきた 以前長野で食べたとある執事の手作りケーキよりはハードルは低そうだし 今度一緒に作りますかと聞くと、狩宿さんは喜んでくれた とりあえずその時のためにと連絡先を交換した そんな話をしていると雨は上がっていた 狩宿さんは学校に戻りながらも嬉しそうにしていた テンションが高かったのか、俺のことを京太郎くんと呼んでいた そのことを言うと、俺も巴さんと呼んでいいとのことだった 最近年上を下の名前で呼ぶこと多いな。いいけど とりあえず、あのケーキの材料でも考えよう 霞「あらあら、2人っきりでサボり?」 巴「雨宿りですよ。ケーキは霞さんも食べたじゃないですか」 春「京太郎の黒糖ケーキは絶品」 初美「ですねー。でもアレのせいでお菓子作りが趣味の人が落ち込んだらしいですよー」 巴「あぁ……私もちょっと落ち込んだ」 小蒔「どうしてあんなになんでもできるんでしょうね」 春「なんか、執事の友達がいるらしい」 6月□日 今日は休みだったが、ちょっと面倒な宿題が出たのでウチで春と分担して進めていた ある程度進み、少し休憩していたところで咲から電話が来た 久しぶりだったので春にしばらく待ってくれるように言ってから話した 咲は最近麻雀部で合宿に行き、今度の大会に出るらしい 応援してるぞー。永水の次に、なんて冗談を言いながら話していると、春がまだかと少し大き目の声で聞いてきた 少し長電話しすぎたかと思っていると、咲も友達といるのか聞いてきた 友達っつーか遠い親戚。お前よりおもちの大きい。そう言うと咲は少し拗ねたようにそこまで大きくないでしょ、とか言ってきた まぁ大抵のおもちは咲より大きいしなー。Aあったっけ?とか言うと、春が、少し笑った 咲にも笑い声が聞こえたらしく、怒った声で笑うのは酷いとか言っていら まぁ咲の方が付き合いは長いし、とか適当に宥めて電話は切った 春は少し機嫌が悪そうだった。そして、やたらと咲のことを聞いてきた 別に、ただの幼馴染だと言うと少し何か考えているようだった なんだったんだ?春も咲も途中で少し機嫌悪くなったし アレか?女の子の日か? 初美「うわ、酷いですねー」 巴「そりゃ本来自分しか見ない日記だし、多少こういうことも書くでしょう」 春「……宮永咲……負けない」 霞「直接対戦したのは私だったけど、強かったわよ?」 春「……麻雀以外では」 巴「言い直した……」 春「京太郎は譲らない!」 小蒔「そ、それってどういうことですか!?」 霞「そうよ。譲れないのはみんな同じよ?」 初美「ですねー。こればっかりは駄目ですよー」 巴「当然です」 咲「っくしゅん」 咲「少し冷えるなぁ……1人でゴミ持ってくのは失敗だったかな」 咲「京ちゃんがいたらなぁ……なんか気付いたらやってそうだよね」 咲「ふぅ。京ちゃん、帰ってこないかなぁ……」 6月●日 「ハロー、ツーリングに行きましょう」 休みの日にいきなりそんなことを言うライダースーツ姿の良子さんが玄関前に立っていた 俺、バイク持ってないのにツーリング?そう疑問に思っていると 「カモン」単車に跨り後ろを指差す良子さん 男のやってみたいことのひとつだけど男女逆だしいきなりなんだろうか そう思いながら俺は後ろに乗った 「もっとくっついていいんですよ?」そう良子さんは言うが、年上の美人にくっつくとか正直たまりません おずおずと前に手を回したが「ん、へい、もっと上ね。触っても責任取ってくれるだけでオーケーですから」 いい笑顔で言われたからその辺りは触れないように全力で気を遣った 良子さんは結構なスピードで走っていた 後ろに乗ってる俺に気を遣ってるのか、カーブ等の時はどっちに身体を倒すとか丁寧に言ってくれた しばらく走ると、どこかの高台の上でバイクを止めた 良子さんはバイクから降り、俺の手を引いて高台の景色を見に行った 「んー、やっぱりここの景色はグッドですね。たまに見たくなるんですが、1人じゃアレなんで無理矢理攫っちゃいました」 悪戯っぽく笑う良子さんは普段のクールな美人な感じより、可愛い女の子みたいに見えた 確かに高台からの景色は綺麗で、俺もまた見たくなるような景色だった そこからしばらく、自販機の缶コーヒー片手に雑談した バイクの免許を取るかどうかとか、黒糖についてとか、この前本気出したすこやんがモンスターどころかマジもんのクリーチャーだったとか 俺の今度の試合についての話もした 「やっぱりまだまだですね。でも、麻雀は何が起こる分からない。誰だって勝つ可能性があるんですよ?」 そう言ってもらった 小蒔さんや初美さんなど、すごい人ばかり見てて少しビビってたが、気が楽になった 「グッドグッド。リラックスしていきましょう。では、帰りましょうか」 帰りは少しだけ、行きより抱き着いて帰った バイクの免許、取ろうかな 初美「なんというか、良子さん大人って感じですねー」 巴「余裕たっぷりだよね」 春「……京太郎がバイクに乗るようになったら後ろ乗せてもらお」 小蒔「いいですね!私も乗りたいです!!」 霞「あら、じゃあ私も乗ろうかしら?」 初美「あの3人の誰かが京太郎の後ろに乗ったら、間違いなく京太郎が事故起こしますよねー」 巴「うん、特に霞さんとか危ないよね」 6月◇日 学校帰り、少し騒がしいかと思っていると、どうやらどこかのテレビの取材があったらしい もう撮影自体は終わっているが、有名人がまだどこかでフラフラしていて騒がしいとか 別に気になる有名人もいないから適当に帰ろうかと思っていると、いきなり肩をつかまれた 「だーれだ?なんちゃってね!」振り返ると、福与アナだった どうやら撮影が終わってフラフラしている1人らしい 暇だから遊ばない?とか言っていたが、男子高校生と遊ぶアナウンサーってどうなんだ 時間はあったので、俺も春達に案内してもらった、少し離れたところのお土産屋に連れていった 色々置いてあったので福与アナも物珍しそうに店内を見て回っていた 俺もこっちに来てそこまで長い訳でもないので、色々見たりした あれは美味しいか、これはどうだ、これをすこやんに渡したらどんなリアクションをするか 色々話しながら、それなりに楽しんだ 結構な量のお土産を買った福与アナは、時間ということで別れた 別れ際、「キミも高校生雀士だよね?インハイで待ってるよ!!」と言ってくれた ラジオとかでアレなのに、結構嬉しいこと言ってくれるんだな 大会までもう少し、頑張ろう 霞「そういえばテレビの話をおばさま達がしてたわね」 巴「旅番組でしたっけ。こっちの美味しいものを食べていく」 春「美味しいものといえば黒糖」キリッ 初美「いや美味しいですけど、ていうかブレなさすぎですよー」 小蒔「どれも美味しいですしね」 6月▽日 大会も近かったので、部活が終わった後も少し居残りして練習していた みんな帰ったからネト麻でだが しばらくすると、帰ったと思った霞さんが来た 「1人より、誰かに教わった方がいいかと思ったんだけど、どうかしら?」そう言ってくれた 願ってもないことだ。それからは色々教わりながら打った しかし、霞さんもどんどん指導に熱が入っていくからか、どんどん後ろからパソコンの画面を乗り出して見るようになっていった すると、おもちが背中に当たる。霞さんのおもちはただでさえとんでもない大きさだ。それが当たらない訳が無い するとそれにより集中などできる訳もない。当然ミスする また乗り出して見ながら指導する。当たる。ミス。さらに密着 そう、無限ループだ 俺は、決してこの日を、この時背中で感じた感触を忘れない ありがとう……ありがとう霞さん 本当に……本当に……ありがとう……それしか言う言葉がみつからない…… 気付くと、目の前のネト麻での対局が終わっていた 結果は、なんと俺がトップだった 途中、背中の感触に集中しすぎて自分が打っているのかどうか分からないような感じだったが、そのせいか? 霞さんは驚いた顔でしばらく、スサノオだのマサカドだの呟いていた よくわからなかったが、別にいいか 霞「この時ね、確かに感じたのよ。姫様と同じように神様を降ろしたような、もっと別の"何か"を降ろしたような感覚が」 巴「遠縁の遠縁といえ、多少は同じような血と考えられますけど、ありえるんですか?」 春「祓う必要もなかったの?」 初美「勝手に降ろして、勝手に帰るとか……いやいや信じられないですよー?」 小蒔「そもそもそんなことをして、京太郎くんは大丈夫なんでしょうか?」 霞「これ以降こんなことは見てないけど……現に今大丈夫だからとしか言えないわ」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3462.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379321075/ 8・ 京太郎「さあ、今日も牌ちゃんと戯れに、牌の世界に行こう」 部室に一番乗りした京太郎は、卓の上に整理された牌に触れる。 触れた瞬間に感じる、頭から血が抜けるような感覚にも随分と慣れた。 京太郎「到着っと……」 辺りを見まわす。 京太郎「あ、いた。おーい、牌……」 声をかけようとしたところで、あることに気づく。 京太郎「え……牌のそばにいるやつ、誰だ?」 牌のそばにいたのは、遠目にもわかるイケメン高身長な男だった。 京太郎「は……? ちょ……どういうことだよ」 頭が働かない。どうしてこんなことになっているのか。 牌は、楽しそうな表情でその男と会話していた。 京太郎「……いや、別に……あいつが誰と話してようが俺には関係ないし」 そうだ。牌と京太郎の関係はただのライバル関係なのだ。 牌が誰と仲良かろうが、それはどうでもよいことなのだ。 ――だけど。 京太郎「……帰ろう」 話しかけることは出来なかった。 京太郎「咲……俺の白でお前の萬子の混一色に放銃してもいいか?」 京太郎「う゛ん゛、い゛い゛よ゛(裏声)」 友人「……何やってんのお前」 誰もいない教室。 そこでの一人小芝居を見られていた。 京太郎「ゆーと! 見て分かんないのか? 咲を麻雀に誘う練習だ!」 友人「へー、別のことを誘ってるようにしか見えなかったわ」 京太郎「真剣にやってたのに」 友人「はぁ……まったくお前は。もっと普通に誘えばいいだろ」 京太郎「うっ……そうなんだけど、恥ずかしくってさ」 友人「普通に話すみたいに誘えばいいだけだっつーの」 京太郎「あ、そうだ、ゆーと。麻雀部に入ってくれ」 友人「いいぜ」 京太郎「優しい」 友人「今の感じで咲ちゃんを誘えよ」 京太郎「難易度高い」 友人「ヘタレめ」 京太郎「言い訳できねえ」 友人「じゃ、ちょっと練習してみるか。俺を咲ちゃんだと思え」 京太郎「咲はもっとかわいい」 友人「うるせえ、さっさとやれ」 京太郎「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる! 入部しろ!」 友人「自由意志を尊重しろ」 京太郎「安心しろ! ――俺、須賀京太郎は不可能の力と共にここにいるぜ!」 京太郎「俺が咲の入部を受け止めてやる! だからお前は入部届を持っていけ!」 友人「壮大過ぎる」 京太郎「一緒の部に入部して、友達に噂とかされると恥ずかしいし……」 友人「もはや誘ってねえ」 京太郎「な゛ん゛で゛入゛部゛し゛な゛い゛ん゛だ゛よ゛! ん゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 友人「文字数稼げて便利!」 いよいよ咲を誘う時がやってきた。 特別なセリフも気障な口説き文句もいらない。 ただ普通に言えばいいだけだ。 外で本を読んでいる咲を見つけた。 友人「さあ、行け!」 京太郎「あ、明日にしないか?」 友人「行け!」 どんと押された。 京太郎(ええい、ままよ!) 京太郎「咲~!」 咲「京ちゃん」 京太郎「まーじゃ……」 咲「まーじゃ?」 京太郎「まあ、じゃあ、学食へ行こうぜ!」 咲「その間投詞いる?」 食堂。 咲にレディースランチを注文してもらってる間に友人に首を絞められた。 友人「何やってんだお前は」 京太郎「く……苦しい。だ、だってさ」 友人「だってじゃねえ」ギュウウウウ 京太郎「しまってるしまってる! ここで決める! ここで決めるから!」ゴキゴキゴキ 咲「はい、レディースランチ、持ってきたよ」 京太郎「おーう……サンキュー……」ギュウウウ 咲「仲いいね、二人!」 京太郎「これが、仲良くしてるように……見えるのか」ゴキゴキギュウ 咲「じゃれてるだけでしょ?」 それはひどい。 友人は一旦その場を離れ、遠くから俺達を見守ることにしたようだ。 正直友人にはこの場にいてアシストをして欲しかったのだか、この件は俺一人で片付けるべき問題らしい。 京太郎「咲……あのさ」 咲「おいしい?」 京太郎「あ、美味いぜ」 咲「それはよかった」 京太郎「…………ういっす」 タイミングが見つからない。 あれ、勧誘ってこんなに難しいことだっただろうか? ……いや、これは俺のせいだ。 俺が咲に特別な感情を抱いているから、こんなふうになってしまったのだ。 今は咲への感情は切り離そう。 大切な友人を部活に誘う。それだけのことだ。 京太郎「咲、麻雀部に入らないか」 溜めもせず、情緒もなく、京太郎はそう言った。 咲「……ごめん京ちゃん、麻雀キライだから」 京太郎「キライってことは、麻雀、出来るんだ?」 咲「まあ、そうなるけど」 京太郎「なら、大丈夫だ」 咲「大丈夫って……」 京太郎「どんな理由で麻雀が嫌いになったのかは知らねーけど、うちの麻雀部なら大丈夫」 京太郎「あそこなら、あのメンバーなら、たとえ嫌いでも――楽しく麻雀を打てる」 咲「……よくわかんないよ」 京太郎「えっと、つまりだな……あの、その」 咲「でも、京ちゃんがそう言うなら、そうなのかもね」 京太郎「咲……」 咲「いいよ、わかった。行ってみる」 部室。 新メンバー友人と見学の咲を連れてやって来た。 京太郎「みなさんいますかー!!」 本藤「しっ、須賀! 静かにしろ」 京太郎「ど、どうしたんです?」 本藤「部長が眠っていらっしゃる」 京太郎「はあ」 本藤「怖いから起こしてはならない」 本藤先輩、トラウマ克服できてねえ。 本藤「っと、客か?」 でかい図体、威嚇するような面で本藤先輩は言った。 咲のやつ、怖がらねえよな……? 咲「宮永咲です。よろしくお願いします」 なんの緊張もない様子で、咲はお辞儀をした。 そういえば咲は他人に物怖じしないタイプなんだっけか。 友人「こここここんにちは! うううううう梅原友人です」 ……よっぽどこっちのほうが怖がってた。 和「お茶入れますね」 咲「あっ……さっきの――」 京太郎「お前和のこと知ってんの?」 和「先ほど橋のところで――」 八坂「悪いね、ちょっとこいつに用事があるから先に打っといて!」 京太郎「やっさん?」 和の言葉を全部聞く前に、やっさんに腕を引っ張られ、部室の外に出た。 京太郎「どしたよ」 八坂「……あいつはなんだ」 京太郎「どっちのことだ」 八坂「宮永さん」 京太郎「咲か……友だちだけど」 フラれた相手だとは言えない。 京太郎「……どうしたやっさん、顔色、悪いぞ」 八坂「分かんないのか、お前には」 京太郎「え?」 八坂「……化け物だぜ、あいつ」 京太郎「なっ……」 八坂「いや、魔王か……?」 麻雀の強い人間が発する何か。 それは悪魔だとか魔物だとか、にも例えられる。 京太郎「いやいやいや、ちょっと待てよ。俺もそういうのを感知する力があるんだぜ? でも咲からは特に何も」 八坂「隠してるんだ」 京太郎「…………」 八坂「いや、隠れているのかもしれないな。意図的にか偶発的にかはわからないけど、強さが隠れている」 京太郎「なんでお前はそんなことがわかるんだ」 八坂「同種の物を見たことがあるからだ」 京太郎「同種の……もの?」 八坂「あの日――俺が麻雀をやめた日――見たんだ。あれに似た、なにかを」 部室に戻り咲の打ち方を確認する。 京太郎「(……まじかよ)」 八坂「(わざと手を安くしたな。何のためだと思う)」 京太郎「(一位にならないため……とかか)」 咲が麻雀を嫌った理由はわからない。だが人が麻雀を嫌いになる理由は限られている。 その定番といえば、自分が勝つと他の人の機嫌が悪くなる、とかか。 八坂「(一位にならないため、か。それもあるが……それだけじゃない気がする)」 京太郎「(えっ!?)」 八坂「(もう一局見よう)」 ――そこから始まる物語は、咲と和の物語。 その日、咲は3連続プラマイゼロを達成したのだった。 その日の放課後。 一太「部員、九人揃ったのかい」 京太郎「えっと、副会長さん。お久しぶりです」 一太「君ならやると思っていたよ。麻雀部再建」 京太郎「……あと一人、男子が足りてませんよ」 一太「僕を、入れてくれないか?」 京太郎「え?」 一太「君がいれば、会長はもう悲しまなくて済む」 京太郎「よくわからないですけど……入部なら大歓迎ですよ」 ――こうして、男子も女子も団体戦に出られることになった。 一週間後。 通学路の途中、京太郎は草むらに隠れて観察していた。 友人「……何してんの、お前」 京太郎「指」 友人「……は?」 京太郎「いま、和が小指にキスしたんだ」 友人「おう」 京太郎「昨日、咲と和は指切りをしてたんだ。隠れて見てた」 友人「本格的に気持ち悪いなお前は」 京太郎「あれは百合名場面名鑑収録『あなたの触れた場所がじんじんするの……』だ!」 友人「もしかしてこれから先、原作にそって百合百合してる様子を観察するだけの話になるのか!?」 京太郎「いいな、それ!」 友人「よくねーよ。あと2週間しかないんだぞ。盛大に何も始まらないにもほどがあるわ」 学校。 咲「じゃあお昼一緒に食べようねー」 和「はい、ではまた」 京太郎「咲……おまえ……和と仲良くなったのか」 百合ップル誕生への歓喜で、京太郎はそう言った。 咲「うんっ」 京太郎「お……俺もお昼ご一緒してよろしいですか」 もちろん、百合の観察のためである。 合宿をしよう。 そういうことになった。 そして合宿の前日。 京太郎はある場所にやって来ていた。 百合オンリーイベントである。 合宿の日程と重ならないか心配であったが、ギリギリ一日ずれていたのだ。 京太郎「買うぞー! 超買うぞー!」 pixivで追ってる好きな絵描きさんの新刊を素早く買う。 しかし、京太郎にとっての本番はこれからだ。 それは新人の発掘である。 この業界は常に新しい人が入ってくる。 そこにある金の卵を探す。やりがいのあることだった。 京太郎「とりあえず、まずは好きなカップリングの同人誌から見ていくか」 絵柄も好みな「はるちは本」を発見。 京太郎「あの、読んでみてもいいですか」 女性「どうぞ!」 ……うん、やっぱり好みの絵柄だ。 ??「すみません、俺も読んでみていいですか」 女性「はい!」 他に客が来たようだ。 京太郎「あ、俺、邪魔ですか? すみません」 本藤「いえいえ、そんなことは」 紙袋を両腕にいっぱい抱えた、いかつい顔の男が、そこにいた。 まさしく本藤先輩であった。 京太郎「…………」 本藤「…………」 京太郎「き、奇遇ですね」 本藤「お、おう、そうだな須賀」 ??「ちょっとあんたら、そんなとこで立ち話してるんじゃねえよ」 京太郎・本藤「あ、すみませ」 八坂「…………」 つんつん頭の、小柄でツリ目な少年が、そこにはいた。 疑う余地なく、やっさんだった。 京太郎・本藤「……」 八坂「や、やあ!」 京太郎・本藤「……あ、この本、一部ください」 女性「ありがとうございます! やった、完売だよイッチー!」 一太「本当ですか!? やりましたねササヒナ先生」 京太郎・本藤・八坂「おっす」 一太「 」 京太郎「……」 本藤「……」 八坂「……」 一太「……」 あのあと、四人は互いに連携し合い、目当ての同人誌を買い漁った。 ほとんど無言でである。 会場の出口で、その空気に耐え切れなくなった本藤先輩がようやく口を開いた。 本藤「……お前ら明日の合宿の買い物は終わったか」 八坂「あ、まだっす」 京太郎「じゃ、今からみんなで買いに行きますか!」 一太「いいですね、梅原くんも誘いましょう!」 三十分後。 友人「みんなで集まって買い物って……。女子じゃねーんだから」 ぶつくさ言いながらも集合場所にやって来た友人。 友人「お、いたいた。もうみんな集まってんのか」 四人は、何か会話をしているようだった。 タッタッタッと小走り気味に四人に近づき、耳を傾ける。 八坂「女にも性欲はあるんだよ勝手な童貞の妄想を押し付けんな !!」 京太郎「プラトニックラブをバカにしてんのかボケ! 距離感を楽しむものだろうが!」 一太「ひたすらにイチャイチャラブラブしてりゃいいんですよ!」 一太「現実感やら修羅場やらシリアス展開やら、そういうのは作者の自己満足ですよ!」 本藤「笑わせるな! 葛藤や修羅場を乗り越えてこそ真実の愛に辿り着けるのだ!」 本藤「そこに至っていない百合なぞ見せかけ! お前の意見こそ本当の自己満足なのだ!」 八坂「そう、肉体関係まで描かなくても良いみたいな風潮が広まったせいだ!」 八坂「それでアリバイ百合とかいうただの金儲け作品が量産されたんだ!」 友人「よし、帰ろう!」 こんなやつらと同じ場所にいられるか! 俺は一人で買い物するぞ! 京太郎「来たか、ゆーと!」 見つかった。 友人「帰ります!」 本藤「今からカラオケ店で朝まで『百合ソング大会&百合談義』をするのだ。貴様には審査員になってもらうぞ」 友人「いやだああああああああああああ」 一太「僕が一番正しいことを証明してみせましょう」 八坂「はっ、笑わせるぜ先輩。今から宗旨変えの準備をしといたほうがいいですよ」 京太郎「つーか――……」 ――梅原友人はこの日、未来永劫絶対に百合作品を読まないことを心に誓ったのだった。 ――ただし、ゆるゆりは除く。 次の日。合宿の日。 合宿棟に向かう前に、京太郎は牌の世界に来ていた。 京太郎「……よう」 牌「京太郎!」 牌の笑顔。 それを見た瞬間、心がチクリとした。 牌が見知らぬ男と会話をしていた場面を思い出したのだ。 京太郎「……すまん! 今から合宿なんだ。今日はもう帰る!」 牌「ちょっと待ってよ!」 牌に腕を掴まれた。 京太郎「……どうした」 牌「最近、なんか変だよ」 京太郎「……気のせいじゃないか?」 牌「ち、違うもん」 牌が握っている場所がじんじんする。 京太郎「ごめんっ!」 手を振りほどき、元の世界に戻る。 京太郎「はあ、はあ、はあ……」 部室で卓に掴まりながら、呼吸を整える。 咲「大丈夫、京ちゃん?」 京太郎「咲!? 合宿棟に行ったんじゃ……今の、見てたのか」 咲「道に迷っちゃって……いま来たばかりだよ。大きな音が聞こえたからびっくりして」 京太郎「そ、そうか」 咲「京ちゃん……辛そうな顔してるよ?」 京太郎「……んなことねーよ」 誤魔化すしかなかった。本当のことを言うわけにもいかないし。 咲「……信じてあげて、京ちゃん」 京太郎「咲……?」 事情がわからないはずなのに、咲はそう言った。 もしかしたら何となくバレているのかもしれない。 まさか俺が牌の世界に行ってるとまでは思わないだろうが。 ……そうだ。ちゃんと聞こう。誰と話していたのか。その人とどんな関係なのか。 勝手に勘違いするのはやめよう。 次の日。合宿中。 早朝に合宿棟を抜けだした京太郎は部室に向かった。 牌に会いに行くためだ。 旧校舎にはまだ誰もおらず、静かな空気が薄気味悪かった。 卓の上に並べられた牌に触れようとして、手が止まった。 京太郎「まだ怖がってるのか、俺は」 真実を知るのが怖い。 出来るのならば真実を知らないままで生きていたかった。 京太郎「なんたるヘタレ具合だよ、俺は……!」 目を瞑って、勢い良く牌を握りしめる。 牌の世界。 最近はどんどんと明るくなっていった牌の世界も、最近また少し暗くなった気がする。 京太郎「牌……」 牌「……来てくれたんだ」 視線が合う。 どうしようもなく逸らしたくなったけど、我慢した。 目を逸らしてはいけない。 逸らした瞬間にまた勇気を失ってしまいそうだった。 京太郎「牌、聞きたいことがある」 牌「……なに?」 京太郎「10日ほど前、お前が会話してた男、あいつ誰だ?」 聞いてしまった。 怖い。 どうしてなのかわからないけど怖い。 牌は、ゆっくりと口を動かした。 牌「お兄ちゃんだけど?」 京太郎「………………」 牌「?」 京太郎「……お兄ちゃん?」 牌「うん」 京太郎「あ……は……はははは!」 牌「え!? 笑うとこ!?」 なんだ、なんだ、そういうオチか! うじうじ悩んでいたのがアホらしい。 さっさと聞いてしまえば楽だったのに。 京太郎「……よかった」 牌「京太郎……」 京太郎「牌……」 自然と、二人は体を近づけあった。 そして――お互いの身体が触れ――。 卓「妹を貴様には渡さーーーーーーーーーーーーん!!」 触れる前に突き飛ばされた。 卓「この獣め! 我が妹に気安く触れるとは!」 牌「あ、卓兄! おはよ」 卓「うへへへへ、おはよ我が妹よ」 京太郎「何だお前は!」 卓「我か? 我は《麻雀 卓》! 配牌を操る神なり!」 京太郎「配牌を操る、神?」 卓「敬い給えよ!」 京太郎「なーるほど……なぁ……」 卓「なんだ!?」 京太郎「お前かあああああ! 俺の配牌を8シャンテンとかいう糞配牌にしたのは!!」 卓「そのとおりだが?」 京太郎「だが? じゃねえ! さっさと治せ! ろくに麻雀できねーよ!」 卓「我から妹を奪おうとする蛮族にはピッタリの誅罰だ」 京太郎「悪魔あああああああああ!」 卓「野蛮人がああああああああ!」 牌「二人とも元気だねー」 牌はニコニコしていた。 牌「卓兄、京太郎の配牌を良くして、とまでは言わないけど、普通に戻してあげてよ」 卓「な、なぜだ我が妹よ! どうしてこんなやつの味方をする!?」 京太郎「へっ」ドヤッ 卓「ええい、うっとおしい!」 牌「お願いだよ」 卓「く……」 牌「お・に・い・ちゃ・ん?」 卓「任せ給え!!」 あれが兄という種族か……。なんと業の深い……。 卓「我が妹の頼みだから仕方なく貴様の配牌を普通にしてやったが……よく覚えとけ! これは貴様を認めたわけではない!」 京太郎「わかってるよ」 卓「貴様に妹はやらん!!」 京太郎「わかりましたってば、お義兄」 卓「おいいまてめえなんつった」 京太郎「つーかマジモンの兄妹なのか」 牌「んーとね、神様になってから兄妹になったんだよ。牌と卓は兄妹関係になる決まりなのだ」 卓「我は本物の妹と思っておるぞ!」 京太郎「オーケーオーケー」 卓「ええい、聞けいっ!」 ……さてと。 ここらで一つ、片をつけよう。 今あるピースで思い出せることは全て思い出した。 京太郎「さて……そろそろ覚悟を決めるか」 牌「覚悟?」 京太郎「逃げていたことに立ち向かう」 合宿の起床時間は7時半。 現在は6時半。あと1時間ある。 京太郎は自分の家に向かった。 京太郎「母さん」 母「どうしたの、京太郎。合宿中でしょ」 京太郎「俺が小学校1年生だった頃のことを、教えてよ」 母「……そっか。もう、いいのね」 京太郎「もう子どもでいられる年齢でもないしな」 母「ちょっと待ってて」 京太郎の母は薄いアルバムを持ってきた。 母「これが、その時の写真よ」 アルバムを受け取る。 薄くて小さいアルバムなのに、ずしりと重く感じた。 ゆっくりアルバムを開く。 京太郎「……ああ、そうか……やっぱり、そうなのか」 そこに写っていたのは四人の子ども。咲、照、京太郎、そして――牌ちゃん。 京太郎「いや――牌ちゃんじゃない――みなも――宮永みなも」 あの日、8年前。飛行機事故で命を落とした少女。 咲の従姉妹である少女。 俺が――。 初めて好きになった少女。 8・終
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6394.html
1 名前: ◆r05KxLrr0E[saga] 投稿日:2013/07/13(土) 01 24 01.18 ID opIPghBGo [1/27] このスレは本格美少女麻雀物語、咲-Saki-の不遇な男の子、須賀京太郎くんを主人公とした安価スレです 京太郎くんは原作同様空気です、なお現在は順調に友だちを増やしつつある模様(女の子限定) 三箇牧を舞台として、京太郎くんと住人の女の子たちで学園生活を満喫しつつ、麻雀も楽しみます 三尋木咏(15)や赤阪郁乃(17)など原作設定無視のキャラもいます 何番煎じ?そんなの知らんですよ ご年配の方から小さなお子様まで取り扱うのが当スレの基本理念です
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/552.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1342270571/ 久「みんな、団体戦お疲れ様」 咲「はい、何とか優勝できてよかったです」 和「全国に向けて、さらに頑張りましょう」 まこ「その前に個人戦もあるがの」 優希「おー! この勢いで個人戦も代表取るじぇ!」 京太郎「……おう、頑張れよ!」 優希「京太郎、お前も一回くらいは勝ってみせるじぇ!」 京太郎「…………」 京太郎(はぁ……みんなは県大会優勝か……) 京太郎(きっと個人戦も、誰かは代表を取るだろう……それにひきかえ俺は……) 京太郎(自分なりに勉強はしてるつもりだし、時々みんな相手でも2位くらいなら取れることもある) 京太郎(だが……やっぱり咲みたいな力はない) 京太郎(これが才能なのか……? 俺はどんなに頑張っても、凡人の雑用係で終わるのか……?) 京太郎(みんなはあれほど活躍しているのに、俺は……) 京太郎(このまま……) 京太郎(このまま、終わりたくねぇ!) 優希「……一発ツモだじぇ!」 まこ「ふぅ、やはり東場は優希には勝てんのう」 優希「京太郎、タコスを買ってくるじぇ!」 京太郎(俺にも……) 咲「ツモ、嶺上開花です」 和「うぅ、またですか……」 久「絶好調ね、個人戦も期待できるわ」 京太郎(俺にも、あんな力があれば……!) ……… …… … ハギヨシ「失礼します、衣様」 衣「ハギヨシか、何用だ」 ハギヨシ「それが、衣様にぜひとも面会したいという客人が……」 衣「む……こんな夜にか。一体何者だ?」 ハギヨシ「それが、どうやら清澄麻雀部の方のようです。須賀京太郎と名乗っていました」 衣「清澄の……?」 ハギヨシ「いかがいたしましょうか?」 衣「……面白い、通せ」 京太郎「……そういうわけで天江さん、お願いします。その力の秘訣を教えてください」 衣「話はわかったが……なぜ、そこまでして強さを求める」 衣「お前は決して、清澄の麻雀部を退屈に感じていたわけではなかったのだろう?」 京太郎「……確かに、以前はそうでした。雑用は大変だったけど、嫌ではありませんでした」 京太郎「でも、気付いてしまったんです。自分が、みんなから取り残されているって」 京太郎「俺も……みんなに認めてもらいたい。一緒に戦いたい。そのために、勝ちたいんです」 衣「……そんなことをしなくとも、他の部員はおそらく今でもお前を認めて……」 京太郎「でも、それは麻雀の強さで……ではない」 衣「……呆れたものだ。結局のところ妬みや嫉みではないか」 衣「そのような感情で強くなったとしても、お前の幸福に結びつくとは思えぬ」 京太郎「それでも……お願いします、天江さん」 衣「…………」 衣「……長々と話してから申し訳ないが、衣の力は気付いたら身についていたもの」 衣「決定的なアドバイスを送ることはできない……せいぜい、もしかしたら程度だ」 京太郎「かまいません」 衣「京太郎と言ったな。お前は、麻雀を打つ時に何か覚悟はあるのか?」 京太郎「覚悟……ですか?」 衣「今までずっと負け続きなのだろう。だから『今度もどうせ負ける』『負けて当たり前』と思ってないか?」 京太郎「…………」 衣「勝つ気のない者に道は開けぬ。まず、勝つ気を持つことだ」 衣「たとえば……勝つための制約、目標、条件……など、様々なことを考えてみよ」 衣「思えば衣も……不自由と引き換えに、雀力を得たのかもしれぬな」 京太郎「……勝つための……」 京太郎(…………!) 衣「む、何か考え付いたようだな」 京太郎「……はい」 衣「ならば、もう衣の助言は必要なかろう……せっかく来たのだ、一局ほど打っていくか?」 京太郎「いいんですか?」 衣「問題ない、ちょっとした戯れだ。ではハギヨシ、卓へ案内せよ」 ハギヨシ「かしこまりました。皆様もお揃いです」 純「……弱い……」 智紀「……弱い……」 一「……弱いね……」 透華「……弱いですわ……」 京太郎「……これが今の俺の、全身全霊の力です。皆さんの足元にも及ばない、これが」 京太郎「でも……やってみせますよ。すぐに、強く……そう、天江さんよりも……」 衣「……ほう、ずいぶん大きく出たな」 京太郎「天江さん、皆さん。ありがとうございました」 京太郎(天江さんと話して、収穫はあった) 京太郎(強くなるための、覚悟……勝つための制約、目標、条件……俺にはそれが欠けていた) 京太郎(優希はタコスを食べることで、東場に圧倒的な力を発揮する) 京太郎(あれはもしかして『タコスを食べなければ力が出せない』という制約を無意識に作ってたのでは?) 京太郎(咲は『勝つことも負けることも許されない』という条件に縛られることで、プラマイゼロや嶺上の力を得たのでは?) 京太郎(なら俺も、何かを食べなければ力が……いや、俺の雀力じゃそれでは生ぬるい!) 京太郎(もっと、強い覚悟が必要……そう……) 京太郎(何かを、犠牲にするような) 京太郎「おはよう、咲に優希」 咲「おはよう、京ちゃん」 優希「あ、のどちゃんもあそこにいるじぇ!」 咲「おはよう、原村さん」 和「おはようございます。優希、宮永さん……須賀君もご一緒ですか?」 京太郎「……ああ。じゃあ教室行くから」スタスタ 和「あ……須賀君?」 優希「京太郎の奴、ずいぶんそっけないじぇ。咲ちゃん、何かあったのか?」 咲「さ、さぁ……」 久「それじゃ、今日も打つとしますか」 優希「おー! タコスも水も準備かんりょ……あっ、手が滑ったじぇ!」バシャッ 和「きゃあっ!」 優希「うわっ、のどちゃんのおっぱいがスケスケだじぇ!」 咲「きょ、京ちゃん、見ちゃダメぇーっ!」 京太郎「……始めましょうか。和は着替えてきな」 久「……へ?」 優希「ど、どうしたんだじぇ京太郎!? のどちゃんのおっぱいだじょ!?」 京太郎「個人戦も近いんだ。時間は無駄にできない、それだけのことだろ」 和「す、須賀君……?」 まこ「……な、何があったんじゃ……」 久「須賀君が、和に興味を示さないなんて……雪でも降るのかしら……」 久「ふぅ、そろそろ終わりにしましょうか」 まこ「京太郎やるのぅ。今日はわしらといい勝負だったぞ」 京太郎「いい勝負……ですか?」 優希「京太郎もたまには勝つ時もあるのか、なかなかやるじぇ」 京太郎「……いい勝負じゃ、駄目なんだよ……」 咲「え? 何か言った?」 京太郎「……お先に失礼します。では」 京太郎(……和……) 京太郎(俺は、お前が好きだった。でも今は……それ以上に、麻雀が強くなりたい) 京太郎(麻雀と比べれば、恋心などチンケなもんだ。俺はもう、お前に一切興味を示さない) 京太郎(でも……まだまだ足りない。男子のレベルは高いんだ) 京太郎(みんなといい勝負程度じゃ駄目だ……和だけじゃ足りない。まだまだ、何かを捨てないといけない) 京太郎(最後に一体、俺に何が残るのか……いや、今は考えるのはよそう) 京太郎(……さよなら、和……) 咲「……ねぇ京ちゃん、最近やっぱりおかしいよ」 京太郎「……そうか?」 咲「そうだよ。クラスの友達とも全然遊んでないじゃん」 咲「原村さんとも……優希ちゃんとも、染谷先輩とも、部長ともあまりお喋りしなくなったよね」 京太郎「気のせいだろ」 咲「嘘だよ……京ちゃん、何か隠してない?」 京太郎「…………」 京太郎「ツモ……4000オール……」 優希「ま、また京太郎の勝ち……?」 久「……凄いわね、下手したらもう咲や和よりも強いんじゃないの?」 まこ「京太郎、一体どんな特訓をしたんじゃ?」 京太郎「別に、大したことは……はぁっ……してません、よ……」 和「須賀君、大丈夫ですか……? 具合悪そうですが……」 久「でも、これなら個人戦でもかなりのところまで……」 京太郎「かなりのところ……? 俺は優勝以外、考えてない」 京太郎「そう、勝たなきゃ駄目なんだ……勝って、優勝しなきゃ……」 咲「きょ、京ちゃん……」 京太郎「そうだ部長……俺、少なくとも個人戦が終わるまでは……もう、部活には来ませんから」 久「えぇ!? な、何言ってるの!?」 京太郎「ご心配なく……雑用はメールででも連絡していただければ、ちゃんとやりますんで」 まこ「京太郎、やっぱりお前さん最近変じゃぞ!」 久「須賀君……どうして……」 京太郎「……麻雀部は、俺にとって大切なものなんです……」 久「だったら……」 京太郎「だからこそ、来ちゃ駄目なんです……それじゃ、また大会で……」 優希「京太郎……一体どうしたんだじぇ……」 咲「…………」 京太郎「ぐっ……はぁ、はぁ……」 京太郎「ここ最近、ずっと体が重い……息が苦しい……」 京太郎「やっぱり……急激な強化に、体がついてこれなかったか……」 京太郎「だが大会は、もう近い……何とか、もたせないと……」 京太郎「…………」 京太郎「……今夜は、満月か……」 京太郎「行って、みなければな。龍門渕に」 京太郎「……ロン、2000点」 衣「なっ……」 純「ば、馬鹿な……」 智代「満月の、衣に勝った……」 一「それも、つい最近まで初心者だったのに……」 京太郎「ぐぅっ!」 透華「ちょ、ちょっと大丈夫ですの!?」 京太郎「……いえ、問題ありません……」 衣「それほど急激に強くなり、それほど体を酷使し……」 衣「京太郎……お前は、一体どれほどのものを犠牲にしたのだ……」 京太郎「…………」 衣「そこまでして得る勝利に……一体、何の意味があるというのだ」 京太郎「……天江さんには、わかりませんよ。凡人の、苦悩は……」 京太郎「俺は、ただ……みんなと一緒に、戦いたいだけです」 衣「京太郎……」 京太郎「天江さん、皆さん。お世話になりました」 京太郎「絶対に……代表、取ってきますんで」 衣(…………) 衣(須賀京太郎……あの強さは本物だ) 衣(このまま頂点へ駆け上がるか、地獄の業火に焼かれるか……衣にも分からぬ) 衣(だが……お前は言っていた。みんなと一緒に、戦いたいだけだと) 衣(京太郎……気付いているのか?) 衣(どの道を歩むにせよ、そこには……お前の望む『みんな』はいないということに) 京太郎「個人戦まで、あと三日か……」 京太郎「はは……もう、学校からの帰り道すらもきついな……」 京太郎「だが、勝たなきゃ……勝って、みんなに……」 京太郎「…………」 京太郎「……よぉ、どうした?」 京太郎「この時間は……部活じゃ、ないのか?」 咲「……部活よりも、京ちゃんが心配だよ」 京太郎「俺のことは……心配ない。勝って、みせるさ……」 咲「どうしたの……学校でもずっと一人だし、顔色だって……」 京太郎「でもさ……俺、強くなっただろ。優勝、狙えるくらい……」 咲「……強くなんか、ならなくていいよ。私は、いつもの京ちゃんが戻ってきてくれれば」 京太郎「……駄目だ。俺は、勝たなきゃいけない」 咲「どうして、そこまでして勝ちたいの!」 京太郎「……咲には、わからないだろうな。力のある咲には……」 京太郎「みんなに、取り残された者の気持ちは……」 咲「……京ちゃん……」 個人戦当日 久「さて、集まったかしら」 優希「みんなで代表取るじぇー……って、あれは……」 まこ「……京太郎?」 京太郎「はぁ、はぁ……ひ、久しぶり……みんな」 和「須賀君……どうしたんですか? 真っ青ですよ……」 京太郎「だ、大丈夫さ……今日一日だけ、もたせてみせる」 京太郎「それより…部長、お願いがあります」 久「お願い?」 京太郎「もし女子の部が終わって、俺がまだ勝ち残っていたら……見てください」 京太郎「どうしようもなく弱くて、いつもみんなの遥か後ろを歩いていた……俺の、戦いを」 咲「……京ちゃん……」 久「……わかったわ。でも、無理しちゃ駄目よ」 京太郎「ありがとうございます……それじゃ、みんなも頑張れよ……」 優希「京太郎……なんなんだじぇ……」 久「今は……私たちも、目先の大会に集中するしかないみたいね」 まこ「……じゃのう」 和「あれ……宮永さんは?」 京太郎「…………」 咲「京ちゃん!」 京太郎「……何だ、咲。女子の会場は向こうだぜ」 咲「戻って、来るよね……」 京太郎「…………」 咲「いなくなったり……しないよね……」 京太郎「……ははっ、当たり前だろ。じゃないと誰が、お前の面倒見るってんだよ」 咲「……京ちゃん……」 京太郎「もう行くぜ。お前も……勝てよ、咲」 咲(京ちゃん……) 咲(京ちゃんは、ああ言ったけど……私はやっぱり、今の京ちゃんには勝ってほしくないよ) 咲(ただ、いつもみたいに……私の隣で、笑っていてくれれば) 優希「お昼だじぇー!」 和「部長、このご飯は……」 久「須賀君が買ってきてくれたのよ……頼んでないんだけどね」 まこ「……あんな状態でも、本来の仕事は欠かさないってことかの」 咲「あの……京ちゃんの、様子は……」 久「さっき男子の部を見てきたけど……一応、勝ち進んではいるわね」 和「一応……というのは?」 久「……フラフラだったわ。それこそ、今にも倒れそうなくらい」 優希「きょ、京太郎……やっぱり風邪なのか?」 久「……風邪なら、まだいいんだけど……それ以上の、何かのような気がしてならないのよ」 久「今は……何とも言えないけど」 咲「…………」 京太郎(麻雀部も、友人も……) 京太郎(この日のために、全てを犠牲にしてきた……) 京太郎(みんな、負けるんじゃないぜ……俺も必ず、そこへ……) 京太郎(たとえ……) 『それでは、男子個人戦の一回戦を始めます!』 京太郎(この体が、壊れようと!) 京太郎「げほっ、げほっ……」 京太郎「苦しい……あと、何回戦えば……」 京太郎「いや……何回だろうと、関係ねぇ」 京太郎「十回だろうと、二十回だろうと……」 京太郎「立ち塞がる奴は……全員、倒してやる!」 優希「咲ちゃん、のどちゃん。代表おめでとうだじぇ」 和「ありがとうございます、優希」 まこ「部長も惜しかったのう」 久「残念ながら、届かなかったわね。ところで……男子の方は?」 まこ「……最後の半荘のようじゃ。ここで勝てば……京太郎が、代表じゃ」 久「そう……あの、須賀君が……」 優希「あんなに弱かった京太郎が、あと一勝で代表……」 まこ「信じられんのう……」 和「……みなさん、男子の会場に行ってみましょう。スクリーンで様子も見られるでしょうし」 咲「……うん……」 京太郎(みんなは……勝ったのか? いや、勝ったに決まってるな) 京太郎(俺も、すぐそこだ。驚いたかみんな、あの弱っちい男が今や全国目前だぜ) 京太郎(絶対に勝って、みんなと全国に……) 京太郎(あと一半荘なら……きっと体の方は、何とかなる……いや、何とかしてみせる……) 京太郎(だが今回に限っては、別の問題があるようだ) 京太郎(それは……) 「狂気の沙汰ほど面白い……」 「傀……と、呼ばれています。よろしくお願いします」 「さて……打(ぶ)つか」 『さぁ、ついに男子の部も最後の半荘!』 『赤木選手、傀選手、阿佐田選手、須賀選手! 代表の切符を手にするのは誰だ!』 京太郎(相手が、今の俺でも……勝てるかどうかわからない、化け物揃いだってことだ) 京太郎(いいぜ……やってやるよ!) 傀「御無礼、ロンです」 哲也「これで南入だな」 京太郎「く……12000か。げほっ、げほっ……」 赤木「ククク……病院にでも行った方がいいんじゃねえのか?」 京太郎(さすがは決勝まで勝ち進んだ猛者……とても同じ、高校生とは思えない……) 京太郎(今の俺でも……敵いはしないのか?) 京太郎(ここまで、なのか……?) 優希「京太郎、押されてるじぇ……」 まこ「それより、今にも倒れそうじゃ……」 咲「京ちゃん……」 衣「……清澄よ。あの男の様子はどうだ」 和「あ、あなたは……」 久「天江さん……なぜ、ここに?」 衣「む……そうか、勝ち進んでおるのか……馬鹿者め、無茶をしおって……」 まこ「お前さん……何か、知っとるんか……?」 衣「……京太郎は以前、衣を訪ねてきたのだ」 和「……そんなことが」 まこ「何考えとるんじゃ、あいつは! そんなことをして手に入れた強さに、何の意味がある!」 咲「……それでも、京ちゃんは勝ちたかったんです。私たちの、ように」 久「咲?」 咲「京ちゃんは、ずっと苦しんでいました。自分だけ、麻雀が弱いということに」 咲「団体戦で、優勝した時も……自分ひとりだけ、輪の外にいるような気分だったんだと思います」 咲「私は……」 咲「私は、京ちゃんのことを忘れたことなんか……一瞬たりともなかったのに」 和「宮永さん……」 『ついにオーラス、最終盤だ! トップは傀選手、このまま決まってしまうのか!』 衣「いずれにせよ、このまま進めば京太郎の敗北は必至だ」 衣「あの三人……今の京太郎でも太刀打ちできぬほどの、魑魅魍魎の類」 衣「このまま、終わってくれればよいのだがな」 久「まだ、何かあると?」 優希「で、でも……この点差じゃ、もうどうしようもないじぇ」 衣「……それはわからぬ」 衣「まだ……京太郎に、捨てるものがあれば」 咲「!」 京太郎(逆転条件は役満ツモ……厳しいってもんじゃねぇな) 京太郎(くっ、牌が重い……目も霞んできやがった……) 京太郎(みんなと共に、全国へ……行きたかった) 京太郎(全てを捨てても……やっぱり、届かないのか?) 京太郎(……いや……まだ、手はあったな……) 京太郎(全てを捨てたつもりだった。でも、それは違う) 京太郎(まだ、残ってたじゃないか……一番、大切なものが) 京太郎(でも、それを捨ててまで……勝つ意味が、あるのか……?) 京太郎(…………) 京太郎(俺の、一番大切なもの……) 京太郎(それは……) 京太郎(全てを、捨てたつもりだった……) 京太郎(でも、お前だけは……ずっと、俺の心の中にいた。捨て切ることができなかった) 京太郎(こんなになった俺でも……いつも心配してくれて、話しかけてきてくれた……) 京太郎(誰よりも大切な、幼馴染……) 京太郎(…………) 京太郎(ごめんな、咲……) 京太郎「リーチ」 和「多面張を捨てて、単騎待ちリーチ……?」 優希「それ以前に……これではリーヅモタンヤオ、赤1。逆転には届かないじぇ」 まこ「京太郎……なんのつもりじゃ……まさか久の……?」 久「……違うわ。須賀君は、悪い待ちを選んだんじゃない」 まこ「何じゃと?」 久「彼は……」 京太郎「……カン」 久「カンできる待ちを、選んだのよ」 京太郎(あいつの……一番得意な役だったな) 京太郎(咲、見てるか?) 京太郎(今まで、ありがとな……) 京太郎(でも、これで……さよならだ) 咲「京……ちゃん?」 京太郎「ツモ。リーヅモタンヤオ赤1、嶺上開花」 京太郎「裏……8。逆転だ」 京太郎「はぁ……はぁ……」 京太郎「はは、勝ったぜ……見てたか、みんな……」 咲「……京、ちゃん……だよね?」 京太郎「……その声、咲か……」 咲「…………」 京太郎「咲……俺は、勝つためにお前を捨てた」 京太郎「もう、お前とは……会話することもないだろう」 咲「……なんでなの……」 咲「京ちゃん、こっち向いてよ……」 京太郎「…………」 咲「また、昔みたいにさ……頭なでたり、ほっぺたつついたりしてよ……」 咲「昔みたいに……笑ってよ……」 京太郎「……咲、今の俺とお前……どっちが強い?」 咲「……京ちゃんの方が、強いよ……ずっと」 京太郎「そうか……」 咲「私よりも、勝つことが大事なの……?」 京太郎「……あぁ」 京太郎「これで俺も、お前らと一緒に全国の舞台で戦える」 咲「全然、一緒なんかじゃないよ……本当はわかってるんでしょ、京ちゃん」 京太郎「咲、ありがとな……お前は、最後の最後まで俺を……」 京太郎「でも、これが俺の選んだ道なんだ……だから……」 京太郎「さよなら、咲」 咲「京ちゃん、待って!」 咲「うっ……うぅ……」 咲「京……ちゃん……」 -数年後- 同僚A「……じゃあ、かんぱーい!」 同僚B「かんぱーい! ふぅ、仕事あがりのビールはおいしーね!」 同僚C「これであとは彼氏でもいれば、言うことなしなんだけどね」 同僚A「こら、それは言っちゃだめ!」 咲「あははは……」 同僚B「あーあ、須賀プロみたいなイケメンの彼氏欲しいな~」 咲「……!」 同僚A「須賀プロかー、若いのにすっごい強いって評判だよね」 同僚C「あまりの強さに、地獄の皇帝(ヘルカイザー)とか呼ばれてるんだっけ」 同僚A「でも友人とか全然いないって話聞くけど本当なのかな?」 同僚B「一匹狼って感じでカッコイイじゃん」 咲「…………」 同僚B「咲なんかは、彼氏とか好きな男とかはいないの?」 咲「……好きな人なら、いたよ……」 咲「でも……私がいると、あの人の邪魔になっちゃうから……」 同僚A「へぇ、何か色々あったのね」 同僚B「須賀プロといえばさ、咲って麻雀めっちゃ強かったんでしょ」 同僚C「え、そうなの?」 同僚B「高校の頃、全国とか行ったって聞いたんだけど」 同僚C「マジ? そんな強いなら、プロになればよかったのに」 咲「……私はプロには、なれないよ」 咲(プロになったら……) 咲(きっと、また顔を合わせちゃうから) 咲「ふぅ、ただいま……と」 咲「何か面白い番組はないかな……」ピッピッ 咲「…………」 『須賀プロ、またもタイトル奪取!』 『まさに圧殺! 強い、圧倒的に強い! この強さは本物だぁーっ!』 『地獄の皇帝、ヘルカイザー京太郎!』 咲「京ちゃん……また勝ったんだ」 咲「本当に、強くなったね……」 咲(京ちゃん……) 咲(清澄のみんなで一緒に麻雀を打ってた日が、懐かしいよ) 咲(京ちゃんは……今の自分に、満足してるの?) 咲(いや、してるはずだよね……あんなに、強くなれたんだから) 咲(そう、京ちゃんが望んでいたように……) 咲(でも……) 咲「私は、寂しいよ……京ちゃん」 END 【分岐ルート①】 京太郎(……まだ、捨てられるものがあったじゃないか……) 京太郎(それは……俺の命) 京太郎(もう、みんなには二度と会えなくなってしまう……) 京太郎(それでも……俺はみんなと、ずっと共にある) 京太郎(あの世から……一緒に、戦おう。全国の舞台で!) 京太郎「……いくぜ」ゴォッ! アカギ「……へぇ」 傀「…………」 哲也「……こいつ……」 咲「京ちゃん!」 衣「まずい、あの馬鹿者……死ぬ気だ!」 和「ど、どういうことですか!?」 衣「京太郎の体から、溢れ出ている力……あれはまさに、京太郎の生命力そのもの」 衣「死と引き換えに……勝利を手にする気か……」 優希「そ、そんな!」 久「須賀君……なんで……」 優希「京太郎!」 京太郎(優希……もっとお前にタコス、作ってやりたかったぜ) まこ「京太郎!」 京太郎(染谷先輩……いつも俺を気にかけてくださって、ありがとうございました) 久「須賀君!」 京太郎(部長……散々迷惑かけて、申し訳ありませんでした) 和「須賀君!」 京太郎(和……知ってるか? 俺、お前に憧れてたんだぜ) 咲「京ちゃん!」 京太郎(咲……) 京太郎(今まで、色々なことがあったな……どれもこれも、懐かしい日々だ) 京太郎(もっと……) 京太郎(お前と、一緒にいたかった) 京太郎「ツモ……数え役満……」 京太郎「逆、転……だ……」 咲「京ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」 和「もう一年ですか、早いものですね……」 優希「まったく、京太郎のせいで雑用が大変だったじぇ!」 まこ「……それじゃ、もう行くかの」 咲「……私、もう少しだけここにいます」 久「咲?」 和「……部長、ここは一人にさせてあげましょう」 久「……そうね。じゃあ、先に行ってるわ」 咲「京ちゃん、お墓の下でも聞こえてるかな……?」 咲「この一年、色々なことがあったよ」 咲「部長は卒業して、新入部員も入って……あ、私はお姉ちゃんとも会えたんだ」 咲「優希ちゃんはタコス係がいないっていつも不満たらたら。和ちゃんは相変わらずだけど、時々寂しそうだよ」 咲「……そうだ、あの決勝の牌譜……みんな、驚いてたよ」 咲「衣ちゃんも、見事だって褒めてた。えへへ、凄いね京ちゃん……」 咲「…………」 咲「……ねぇ、京ちゃん……」 咲「京ちゃんは……幸せだった?」 咲「命を落としてまで、麻雀を打って……勝って……」 咲「……ううん、きっと幸せだったよね。じゃないとあんな素敵な牌譜、残せないから……」 咲「……でもね、京ちゃん……」 咲「私は、あんまり……幸せじゃない、かな」 咲「…………」 咲「……ぐすっ……」 咲「忘れないよ……京ちゃん」 咲「清澄高校の麻雀部には……須賀京太郎っていう、ものすごく強い男の子がいたこと……」 咲「絶対に……うぅっ……忘れないから……!」 咲「京ちゃん……!」 END 【分岐ルート②】 京太郎(命も……咲も……どちらも捨てる) 京太郎(もう、何もいらない。勝利の二文字さえあれば、それでいい) 京太郎(この勝負に……何もかもを賭ける!) 京太郎(……さぁ、いくぜ……みんな、見ててくれ) 京太郎(俺の人生の……最終幕だ!)ゴォッ 衣「……ッ! 馬鹿者が!」 京太郎(さようなら、みんな……) 京太郎(俺なんかに付き合ってくれて、ありがとうな……) 京太郎(でも、これで……永遠に、お別れだ……) 京太郎(これが俺の……手向けだ!) 京太郎「リー……」 (京ちゃん……) 京太郎「……!」 哲也「ん? どうした?」 京太郎「……いえ……」 傀「……御無礼、ツモです」 『試合終了! 代表の切符を手にしたのは、傀選手だぁーっ!』 赤木「クク……ちょっと届かなかったか……」 傀「……対局、ありがとうございました」 哲也「おう、お前もお疲……ん?」 京太郎「…………」グラッ 哲也「お、おい!」 ドサァッ 京太郎(ん……ここは……) 京太郎(天国か? 俺、死んだのか……?) 京太郎(みんなには……最後まで、迷惑かけっぱなしだったな……) 京太郎(でも……天国って、案外狭……) 京太郎(いや、違う……ここは、病院?) 衣「気が付いたか、京太郎」 京太郎「天江、さん……」 衣「ここは龍門渕家所有の病院だ。あの後、倒れたお前を運んできた」 京太郎「そっか……俺、負けたんですね……」 衣「魔の領域から、人の世に舞い戻った感想はどうだ?」 京太郎「……不思議ですね。本当は、あの場で……燃え尽きるつもりだった」 京太郎「でも……その時、咲の声が聞こえた気がしたんです」 京太郎「そうしたら……最後の一歩を踏み出すことを、ためらってしまった」 衣「…………」 京太郎「俺は、勝利に飢えながら……やっぱり何も、捨て去ることができなかった……」 京太郎「結局、俺は……弱いままだったんですよ」 衣「……それは違うぞ。京太郎よ」 衣「お前の闘牌は……実に、素晴らしいものだった。衣も見たことのないほどの」 衣「衣だけじゃない。純も、智紀も、一も、透華も……清澄の面々も」 衣「誰もを魅了する……見事なものだった」 京太郎「…………」 衣「衣は忘れぬよ。この夜を、あの魔物ひしめく半荘を、あの数百打を」 衣「それを戦い抜いた……須賀京太郎という、誰よりも強き男のことを」 衣「あの試合を見ていた者は……あの時のお前の雄姿を、未来永劫忘れぬよ。きっと」 京太郎「天江さん……」 衣「さて、そろそろ衣は退散するとしよう」 京太郎「……帰るんですか?」 衣「ふ……馬に蹴られたくはないんでな。では、また何処かで会おうぞ」 タッタッタッタッ ガラッ! 咲「はぁ、はぁ……京、ちゃん……」 京太郎「咲……」 咲「う……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」 京太郎「お、おい……」 咲「よ、よかった……京ちゃん……無事で、本当によかったよぉ!」 京太郎「咲……ごめんな」 咲「京ちゃん……! 京ちゃん……!」 京太郎「お前のおかげで……俺は、踏みとどまれた」 京太郎「もう、どこにも行かないよ……」 咲「京ちゃん……!」 久「じゃ、須賀君。買い出しよろしくね」 京太郎「へいへい、了解です……」 和「ごめんなさいね、須賀君」 優希「京太郎、タコスちゃんと買ってくるんだじぇ!」 まこ「いつもながら、迷惑かけるのう」 京太郎「ははは……みんなはこれから全国大会なんですから、お気になさらず」 咲「京ちゃん」 京太郎「ん……咲、ついてきたのか?」 咲「えへへ……無理言って来ちゃった」 京太郎「やれやれ……じゃ、一緒に行くか」 咲「うんっ!」 咲「京ちゃん……正直、残念だった?」 京太郎「……あの個人戦のことなら、まぁ確かに惜しい気持ちはあるよ」 京太郎「でも……今になってわかった。俺は……やっぱりこれが、一番性に合ってるさ」 京太郎「もちろん、麻雀は強くなりたいけどな!」 咲「ふふ……一緒に頑張ろうね、京ちゃん」 京太郎「だけど、俺やっぱ馬鹿だから……また、馬鹿なことをするかもしれない」 京太郎「だからさ、咲……」 咲「……うん、いいよ」 咲「京ちゃんがまた無茶をしそうになったら、私が止める」 咲「だから……ずっと、そばにいてあげるよ。何か月でも、何年でも……」 京太郎「……ありがとな、咲。」 京太郎「全国大会……俺の分まで頑張れよ!」 咲「うんっ!」 咲「……ねぇ、京ちゃん」 京太郎「ん……何だ?」 咲「……大好きだよ、京ちゃん!」 END
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/718.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1348842761/ 須賀京太郎高校1年生の夏休み初め頃 須賀父「実は俺はニュージーランド人と日本人のハーフなんだ。見た目には母の日本人の母の血が影響したがね」 京太郎「つまり……俺はクォーター!?世代超えて金髪になっちまったのか。今までの不良的な扱いはいったい……」 須賀父「そうだな。後、言ってなかったが俺には兄弟もいてな。今度兄貴の嫁と娘が遊びに来るから自室と客間を掃除しとけ」 京太郎「ええ!従姉妹までいたのかよ」 須賀父「あぁ、兄貴に似ず結構可愛かったな。向こうで暮らしてたからバリバリのニュージーランド人だ。ちなみに高3だ」 京太郎「従姉ってことか。緊張してきた」 須賀父「両親は日本語ある程度流暢に話せるが娘は勉強中だ。滞在してる間はお前が色々世話してやれよ」 京太郎「はいはい、分かりましたよ」 数日後 ピンポーン 京太郎「はーい!今出ます!」 ウィッシュアート父「こんにちは。君が京太郎君かな?須賀父の兄だよ。よろしく」 京太郎「父から話は聞いてます。中へどうぞ」 ウィッシュアート父「あいつに似ず礼儀正しい子に育ってよかったなHAHAHA!」 エイスリン「コンニチハ!!」 京太郎「貴女は……」 エイスリン「エイスリン・ウィッシュアート!ヨロシクネ!」 京太郎「須賀京太郎と言います。よろしくお願いします!」 ウィッシュアート父「エイスリン、日本に来たからと言って、はしゃぎすぎないようにな」英語 エイスリン「それぐらい分かってるよ!お姉さんだもん!」英語 京太郎「何言ってるのか全然分らねぇ…」 ウィッシュアート父「あぁ、すまんすまん。これからはなるべく日本語で話すようにするよ。あと、頼みがあるんだがいいか?」 京太郎「はい、何でしょうか?」 ウィッシュアート父「エイスリンに日本語教えてやってくれないか?適当に長野観光しながらゆっくりで良いから」 京太郎「俺に出来ますかね……英語全然分かりませんよ?」 ウィッシュアート父「大丈夫だ。エイスリンも簡単な会話は出来る。それに…」 エイスリン「ミテ!」凄く上手な周囲の景色の絵 ウィッシュアート父「この通り絵が上手いから意思の疎通はなんとかなる」 京太郎「凄いですねウィッシュアートさん!」 エイスリン「エイスリン!!」名前を強調した絵 京太郎「ええと、エイスリンさん?」 エイスリン「エイスリン!!」拙い字の「さん」にバツ印が付いた絵 京太郎「………エイスリン?」 エイスリン「ン!」笑顔の絵 京太郎「えっ……ええと///、それじゃあ早速行きましょう!」 京太郎(ただでさえ可愛いのに笑うと凄く可愛いくてヤバイ) エイスリン「ソウダネ!」ガシッ 京太郎「えっ!?ち、ちょっと待って下さいよー!手を引っ張らないでください!!」 京太郎「先ずは、昼食でも食べますか?」 エイスリン「ウン!タベタイ!」テンプラ、ソバ、スシ、フジサンの絵 京太郎「食べ物じゃないのが混ざってますよ…」 エイスリン「アハハ……エ!?」 京太郎「そんな気付かなかった!?みたいな顔しないでくださいよ!」 エイスリン「ウンウンワカッテルヨ」 京太郎「本当ですか?取り敢えず美味しい蕎麦屋が近くにあるんで行きましょうか!」 エイスリン「テンプラソバ!」 京太郎「勿論天ぷら蕎麦は美味しいですよ」 エイスリン「タノシミ!」 京太郎「じゃあ俺は大盛り蕎麦で。エイスリンは?」 エイスリン「テンプラ!」寿司が描かれた絵 京太郎「………それは寿司ですよ…本物はこれです」写真を見せる エイスリン「ソ、ソウダヨコレコレ。シッテタヨ」アセアセ 京太郎「いくらカタコト日本語だからって誤魔化せませんよ!」 エイスリン「アハハ……」 京太郎(可愛い!でも年上には見えないなぁ) 京太郎「すいません!注文いいですか!」 料理が運ばれて来た エイスリン「キョータロー!オイシイ!」 京太郎「喜んでもらえて何よりです」 エイスリン「………」ジー 京太郎「……そんなにこれが食べたいんですか?」ドでかい天ぷらを指差し エイスリン「///」コク 京太郎「あげますよ!!そんな目で見つめられたらあげるしかないじゃないですか!!」 エイスリン「アリガトネ。ウレシイ///」 京太郎「っ///どうぞ」エイスリンの皿に載せようとする エイスリン「ン!」パクッ 京太郎「え"!い、今のは……」 エイスリン「オイシイ!オカエシ!」京太郎へ天ぷらアーン 京太郎「ち、ちょっとこれは……」 京太郎(外人美少女にアーン……これはすば……) 京太郎「ムグッ!」海老を押し込まれ エイスリン「オイシイ?」ニコニコ 京太郎「オ、オイシイデス」 エイスリン「ヨカッタ!」 京太郎(こんな笑顔見せられたら文句言えない…) 京太郎「次はどこ行きましょうか?この辺は何もないですけどね。景色ぐらいしか良いところないですよ」 エイスリン「フウケイ、イッショニカコウ?」2人で絵を描いてる絵 京太郎「俺絵心ないですよ?下手ですよ?それでもいいなら、いい場所があります!」 エイスリン「ダイジョウブ!イコ!」手を取って駆け出す 京太郎「うわっ!そっちじゃないですよー!ていうか恥ずかしいですよ!!」 エイスリン「?」 京太郎「恥ずかしいって言葉だけ分からないふりしないでください!」 景色の良い展望台的なところ 京太郎「ここですよ。俺の住んでる町全体が見えます」 エイスリン「スゴクキレイ…キョータロー!ハヤクカコウヨ!」画材取り出し 京太郎「本当に下手ですよ?」 エイスリン「ダイジョウブダイジョウブ!」ニコ 京太郎「///……じゃあ頑張ってみます」 京太郎(断れねぇよ……) 京太郎「……」カキカキ エイスリン「……」カキカキカキカキカキカキ 京太郎「!?」 エイスリン「……」カキカキカキカキカキカキカキカキ エイスリン「デキタ!」凄く上手い風景と絵を描いてる京太郎の絵 京太郎「俺のことまで描いてくれるなんて……こうなったら俺も本気を出しますよ!」ガリガリガリガリガリガリ エイスリン「ヨロコンデクレテウレシイ!タノシミダナ!」 京太郎「できたっ!」ピカソ エイスリン「」 京太郎「エイスリン?どう……かな。同じ構図で描いたんだけど……」 エイスリン「oh……ハッ!ト、トッテモジョウズ…ダヨ?」 京太郎「そうだよな!上手いよな!」 エイスリン(片言の日本語しか喋れなくて良かった……) エイスリン「エットネ、キョータローモットジョウズニナルヨ!ダカラ……レンシュウシヨ?」 京太郎「絵の上手いエイスリンに褒めてもらえるなんて嬉しいなぁ!分かった!もっと俺に絵を教えてください!」 エイスリン「ウン!モチロン!」 京太郎「ほうほう、ここがこうなってアレがああなるのか」 エイスリン「ココロガタイセツナンダヨ。ヘタデモイインダヨ」 エイスリン(さすがにあの絵は……ね。もっと上手くなってほしいな) そして夕暮れ時まで指導は続き 京太郎「ハッ!もうこんな時間か。ずっと絵を描いてたから時間忘れちまった…エイスリン!……あれ、寝てる?」 エイスリン「……ムニャムニャ」 京太郎「エイスリン!エイスリン!起きないと暗くなるって!」 エイスリン「ん?もう終わったの?」 京太郎「!?」 エイスリン「オワッタノ?」アセアセ 京太郎(気のせいか?やけに滑舌が良かった気が……いやそんなはずないか) 京太郎「終わったよ。エイスリンのおかげで凄く上手くなったよ!」ニッコリ エイスリン「ヨカッタ!ワタシモウレシイ!」ニッコリ 京太郎「これを見てくれよ!」エイスリンの微笑みを描いた絵、写真レベル エイスリン「」唖然 エイスリン「エ?………………え?ウソダヨネ?」 京太郎(また一瞬滑らかにっ!) 京太郎「これもエイスリンのおかげだよ。ありがとな!」 エイスリン(凄く上手くなってる…何か複雑……でも) エイスリン「カ、カワイクカイテクレテウレシイナ///」 京太郎「そりゃあ、モデルが美術品なんだから可愛いくなるのは当たり前ですよ」 エイスリン「///ワタシソンナニカワイクナイヨ」 京太郎「そんなことないですよ!どこからどう見ても天使!いや!大天使!」 エイスリン「//////」カオマッカ 京太郎「それじゃ、そろそろ暗くなってきましたし、家に帰りましょうか」 エイスリン「ウン!ソウダネ」 帰り道にて 京太郎「エイスリンはどれくらい長野にいる?」 エイスリン「ウーン……ワカンナイ!」 京太郎「ガクッ……分からないんですかそうですか。なるべく長い方がいいなぁ」 エイスリン「ワタシモナガクイタイナ!」 京太郎「アハハ!俺と一緒ですね。せっかく始めて会えた従姉同士ずっと仲良くしたいですよね」 エイスリン「ハジメテジャナイヨ」 エイスリン「ずっと前から会いたかったんだから」ボソッ 京太郎「初対面じゃないんですか!?」 エイスリン「ウン!ズットマエニネアッテタンダヨ!」 京太郎「俺が小さい頃ですか……さすがに覚えてないですね…すいません」 エイスリン「キニシナイデ。イマヲタノシモウ!」ギュッムニッ 京太郎「わっ!腕組むのはマズイですって!」 京太郎(おもちっ……おもちがっ……誘惑……っ!) エイスリン「エヘヘ///オネエサンノコトエスコートシテ?」 京太郎「ハッ、ハイッ!」カチコチ エイスリン「ウンウン!レッツゴー!」 京太郎「あわわわわわ」 家に到着 京太郎「やっと着きましたね」ゼイゼイ 京太郎(精神力をフル動員して何とか誘惑に打ち勝ったッ!長野暗すぎるんだよ!街灯がないから襲いたくなっちまうだろッ!) エイスリン「ツカレテル?」ウフフ エイスリン(少しは意識してくれたかな?) 京太郎「誰のせいだと……すばらでしたがね!」 京太郎「ただいまー!」 エイスリン「タダイマ!」 母親ズ「ご飯できてるから手洗ってきなさい」 京太郎・エイスリン「ハーイ!」 京太郎の部屋 京太郎「今日一日濃い日だったなぁ…まさかあんなに可愛い従姉がいたなんて。咲に自慢するか?」 京太郎「いや、やめとこう。あいつ凹みそうだ。胸囲的に」 京太郎「さてと、寝るか!」 深夜・京太郎の部屋 エイスリン「……」コソコソ 京太郎「……もう食べられない」グー エイスリン「!」ビクッ エイスリン(驚かせないでよ、もう!) エイスリン「イレサセテネ?ダキマクラガナイトネムレナイカラ…」 京太郎「や、役満がー!」グー エイスリン(ちゃんと断ったからいいよね!)ゴソゴソ エイスリン(暖かい……抱き枕よりも癖になるかも)ギュッ 京太郎「……リンシャンお化け」グー エイスリン(ずっとこのままで……いた……い…な)ギュースヤスヤ 京太郎(……………………寝れねぇよ) 朝・京太郎の部屋にて エイスリン「ん………」スヤスヤ 京太郎「一応寝れたけど……足まで絡めてきてるし……どうすりゃ…」メガマッカ エイスリン「ふわぁ……オハヨ!キョータロー!!」 京太郎(普通に起きたっ!何のリアクションもなく起きやがった!外人のスキンシップやべぇ!) エイスリン「ダキマクラアリガトッ!」ギュー 京太郎「アバババ」アサダチ エイスリン「///////」 エイスリン「シ、シカタナイヨ!キガエテクルネ!」 京太郎(男を抱き枕にするのは良くて朝立ちは無理なのか) 京太郎「……………ふぅ」 朝ご飯にて 須賀父「おう、昨晩はお楽しみでしたね」 ウィッシュアート父「子供は野球ができるぐらいだな」 須賀母「こんな可愛い娘がいるなんて幸せもんね」 ウィッシュアート母「今日は赤飯ね」 京太郎「何でそうなるんだ!!!」 エイスリン「////」 京太郎「エイスリンも恥ずかしがってないで何か言ってくれよ!」 エイスリン「エ、エヘヘ///」 京太郎(なんか笑顔見たらどうでもよくなってきた) 朝食終わり 京太郎「今日はどこに行こうかな」 エイスリン「ウーン?」 京太郎「夏なんだしプールにでも行くか?」 エイスリン「プール?イク!………アッ……ミズギナイ」ショボーン 京太郎「そこは任せてください!俺が買ってあげますよ!絵を教えてくれたお礼です!」 エイスリン「イイノ?アリガトッ!ウレシイ!」ダキッギュー 京太郎「アバババ」 京太郎(昨日の小さい頃の話からスキンシップが増えた気がするなぁ。まぁ良いか!)ニヘラ エイスリン「ウンウン!」ニコニコ エイスリン(順調に意識してくれてるっ!京太郎はお姉ちゃんのモノなんだから) 京太郎「じゃあ、電車に乗ってデパートがある街にまで行きましょうか」 エイスリン「レッツゴー!」 街の大型デパートにて 京太郎「長野にだって都会はあるんですよ!」 エイスリン「スゴイネ!」 京太郎「早速水着選びましょうか。そこのお店に売ってるんで水着決まったら呼んでくださいね」 エイスリン「キョータローハ?コナイノ?」ギュッ 京太郎「え、えと……女の子の水着売り場に男が入るわけには……ねぇ?」 エイスリン「ワタシタチ、カップル!!ダイジョーブ!」ギュッ 京太郎「エイスリン!?引っ張らないでー!」ズリズリズリ 水着売り場にて エイスリン「ドウ?」 京太郎(すばらっ……すばらっ……神に感謝……圧倒的感謝っ……!) 京太郎「正直なところ全部似合いすぎて選べません」オオマジメ エイスリン「ムー」 京太郎「え、何かダメな事言いましたか!?」 エイスリン「ドレガイイ?コレ?ソレ?ドッチ!!!」 京太郎「うーん……あえて選ぶとしたら清楚な白のビキニですかね。綺麗な金髪と合わさってすばらです!」 エイスリン「ソウ?///ワタシモコレガホシカッタ!」 京太郎「決まりですね。お会計しましょう」 会計「現在カップル割引キャンペーンを行っております。カップルだと何と水着が半額です!」チラッ 会計「カップル割引適用でよろしいですね」 京太郎「え?……まだ付き合っムグッ!」 エイスリン「カップル!カップル!」 会計「は、はぁ。かしこまりました。お値段は……」 エイスリン「ムフフ」 京太郎「……いいんですか?俺とカップルって言われて」 エイスリン「ウン!」 京太郎「あ、あはは……」 京太郎(マジ?エイスリンって俺の事……いや、そんなはずないか) 京太郎(久しぶりに会った従弟だからテンション上がってるだけだよな……) エイスリン(ここまで言ったのに何で何も言ってくれないの……とっても頑張ったのに……京太郎の馬鹿っ) 京太郎(いやいや、ここでヘタれてどうする。今こそ男を見せる時ッ!) エイスリン(もういっそ既成事実を……キャッ)ボッ 京太郎「な、なぁ……」 エイスリン「ナニ?」 京太郎「す……す、すk」 「京ちゃーん!!!!!」 京太郎「きなんだ」 エイスリン「キコエナカッタヨ?」 咲「京ちゃん!!こんな所で名にしてるの?」 京太郎「咲!?お前こそこんな所で何してんだ?」 咲「質問に質問で返しちゃダメなんだよ京ちゃん!」 京太郎「いやいや、そんなこと言ってる場合じゃ……」 エイスリン「エ?エ?ナニ?ダレ?」オオアワテ 咲「…………………この人だれ?迷子でも拾ったの?」 京太郎「迷子じゃねえよ。この人はエイスリン・ウィッシュアート。俺の従姉だ」 京太郎「エイスリン、このちんちくりんは俺の幼馴染の宮永咲だ」 エイスリン「オサナナジミ?………ヨロシクネ、サキ!」 咲「従姉?…………よろしく!ええと……エイスリン?」 エイスリン「イエスイエス!」 京太郎「2人とも仲良くなー。どっちも友達少ないんだから」 咲「友達少ないは余計だよっ!和ちゃんとか優希ちゃんとかいるもん!」 エイスリン「ワタシダッテニュージーランドニイル!!」 京太郎「あはは、2人とも息ぴったりだな」 咲「もう、京ちゃんたら」 エイスリン「カラカウノダメ!」 京太郎「まぁそう言うなってアハハ。んで咲は何しに来たんだ?」 咲「わたし?わたしは新k……」エイスリンの水着の袋をチラリ 咲「新作の水着を見に来たんだよっ!」 咲(エイスリンさんは京ちゃんとプールに行くみたい……京ちゃんは渡さないんだからっ!) エイスリン(幼馴染って……私の方が小さい頃に会ってたのに!京太郎は渡さないんだからっ!) 京太郎「なんだ、咲も水着見に来たのか」 咲「う、うん。」 京太郎「じゃあついでだから、咲!」 咲「ひゃ、ひゃい!?」 京太郎「いつもレディースランチもらってる代わりと言っちゃなんだが水着代奢ってやるよ!」 咲「いいの?ありがとう京ちゃん!!」ダキッ エイスリン「ムー」ギュッ 京太郎(咲と比べるとエイスリンのおもちが更に強調されるっ!) 京太郎「は、早く選ぼうぜ」アセアセ 咲「そうだね!じゃあ……これなんてどうかな?」 京太郎(さっきエイスリンと悩んでたビキニその1……ムリダナ。どこがとは言わんが) エイスリン(勝った勝った勝った!) 咲(無理しすぎた……エイスリンさんのおもち大きすぎるよ) 京太郎「まぁ……なんだ、あれだよ。人には向き不向きってもんがな……」 咲「ん?京ちゃん何か言った?」 京太郎「イエナニモ」 結局咲はワンピースタイプの無難な水着になった 咲の乱入により水着を買うだけで一日を終えてしまった 帰宅、家の玄関にて 京太郎「あれ?鍵がしまってるな」 エイスリン「ハイレナイノ?」 京太郎「いや、大丈夫。植木鉢の下に合鍵が……………あった。」 エイスリン「スゴイ!」 食卓にメモがあった 京太郎、エイスリンへ 今晩から少しの間、大人同士で親戚に挨拶してくるから2人で過ごしてくれ。 今晩の夕食だけは作ってある。 ※ハメを外しすぎるのもほとほとにな 両親一同より 京太郎「…………」 エイスリン「…………///」ギュッ 京太郎「!?」 エイスリン「///」男女がベットに寝てる絵 京太郎「!?」 エイスリン「///」 京太郎「……取り敢えずご飯食べましょう」 エイスリン「ウン」 エイスリン(2人きり///) 夕食終わり 風呂へ 京太郎「エイスリン、お風呂先どうぞ。お客さんだから一番風呂を譲ってあげよう!」 エイスリン「?ワカラナイ!」風呂の絵にハテナマーク 京太郎「うーん困ったな使い方教えるから試しにやってみてくれる?」 エイスリン「コレハ?」水着を着て一緒に入ってる絵 京太郎「……マジですか?」 エイスリン「マジマジ!」 京太郎(水着なら大丈夫、水着なら大丈夫、水着なら大丈夫) 京太郎「分かりました。水着着て先に入っててください。後から俺も行きます」 エイスリン「ワカッタ!」 風呂場にて 白のビキニを着たエイスリンがそこにいた。白く美しい艶のある肌をしっとりと蒸気の雫が伝い落ちる。 美しい白は熱でほんのりと紅くそまり普段の清楚な姿からは想像もつかない程の艶めかしさを醸し出す。 つまり弾道が上がった エイスリン「///」 京太郎「不可抗力だ!すいません!すぐ出ます」 エイスリン「マッテ!」ギュッ 後ろから抱きつかれた。 程よく膨らんだ2つのおもちが背中にこれでもかとばかりに存在を首長する。 優希をおんぶした時とは全く違う感触に興奮を覚える。 つまり弾道が上がった。 京太郎「まずいですって……本当にっ」 エイスリン「これでいいのっ!」 京太郎「!?え?今、普通に……」 エイスリン「本当はちゃんと日本語喋れたんだよ。下手なふりしてただけ」 京太郎「そんな……何で…」 エイスリン「京太郎に近づくためだよ!久しぶりに会ったのに私のこと覚えてないからっ!」 エイスリン「本当はもっと早く会いたかったんだよ?でもね、お父さんの仕事の都合でね……」 エイスリン「会えないうちに幼馴染とか作ってるしっ!凄く仲良さそうだった!今捕まえないと京太郎が獲られちゃうのっ!!」 京太郎「エイスリン……俺…は……」 エイスリン「私は京太郎のことが大好き。ずっと前から好きだったの」 京太郎「俺は、覚えてないけどっ!お前のk……「チュ……プハッ」……え?」 エイスリン「ファーストキスだよ。返事なんて聞かない。京太郎は私のものなんだから!」 京太郎「ちょっと待っ……「チュッ……ジュル……チュ……んーー……プハッ!」俺の話を聞いてくれよ!」 エイスリン「聞かない!だってあれだけアプローチしても何も言わないんだもん!」 京太郎「俺はエイスリンが好きなんだよ!」 エイスリン「え?………」 京太郎「隣にいると安心するし性格も良いし、可愛いし、おもtゲフンゲフン……とにかく好きなんだよ!」 京太郎「こんな気持ちになる人はお前が初めてなんだ!」 エイスリン「え?じゃあ、今私がしたことって………//////」カオマッカ 京太郎「何今更赤くなってんだよ……俺は我慢できないぞ!」 エイスリン「え?ち、ちょっと待ってよ!こう言うのはムードが大事なんだよ!」 京太郎「ムード台無しにして襲おうとしたのはどこの誰ですかねぇ?」 エイスリン「そ、それは……」 京太郎「ま、いっか!取り敢えず風呂入ろうぜ。お湯が冷めないうちにな!」 エイスリン「なんか、中途半端」 京太郎「ムードが大事なんだろ?」 エイスリン「そうだけど……ムー」 風呂の浴槽に2人仲良く エイスリン「///お尻に当たってるんだけど……」 京太郎「不可抗力だ」 エイスリン「もう、さっさと上がって続きしよう?」 京太郎「は、はい!」 エイスリン「さっきは襲いかかろうとしたのに……なんで緊張してるの?」 京太郎「だっ、だってなぁ?初めてなんだぞ?」 エイスリン「そ、それ言ったらわたしも初めてよ///」 京太郎「……………取り敢えず上がろう。興奮して逆上せてきた」 部屋にて 京太郎「じゃあいいか?」 エイスリン「う、うん。優しくしてね?」 後日めでたく結ばれた京エイは咲ちゃんにぐぬぬって言われたとさ
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/9022.html
須賀京太郎の偵察(白糸台編) 京太郎「すみません、私清澄高校の須賀と申すものですが、お話を聞かせて頂ければと思って」 菫「清澄? Aブロックの高校じゃないか。悪いが話すことは何もない、帰っ」 扉越しの返事にガタガタと何かをひっくり返す音が響き、次いで扉が勢いよく開け放たれる 照「京ちゃん、久しぶり。私に会いに来たの?」 某幼馴染の姉(ただし本人は認めない)が、ひょっこりと顔を出して袖をつまむ。こういうところ、すごく姉妹なんだがなあ。 菫「おい照、そいつは対戦校の人間だぞ。何を勝手に」 京太郎「あ、こちらお土産の長野プリン専門店『春夏秋冬』の詰め合わせになってます」 照「『春夏秋冬』……ごくり。ああ、懐かしい」 淡「貢物とかやるじゃん! ねー菫、話くらいいんじゃないの? 私も食べたい」 菫「ふ、ふむ。ま、まあプリンは長持ちしないからな。腐らす前に食べた方がいいかもしれないな」 尭深「あ、じゃあお茶入れますね」 誠子「ふーん見た目は全然プリンっぽくないね。いただきます……うまっ!」 照「ああ……半熟カステラにほろ苦いカラメル、そして中のプリンの卵とミルクの味が濃厚な最高プリン……長野の名産」 淡「しかもおっきい! 5号ケーキくらいあるじゃん! これ取り寄せできるの? テルー」 菫「くっ、シフォンケーキのような口当たりで噛むと中から濃厚カスタードのような旨味、そしてほろ苦さが後を引く……」 尭深「うん、紅茶が合うのは当たり前だけど緑茶やほうじ茶で後味すっきりさせるのも悪くないかも」 京太郎「気に入っていただいてよかったです。照さんは長いこと長野に帰ってないからやっぱりこれかなって」 照「京ちゃんっ。やっぱり私のことを一番わかってくれるのは京ちゃんだよ」 京太郎「あはは、光栄です。でも白糸台の皆さんってすごく強いですよね。俺なんか素人同然だから見てても点数の推移ぐらいしか分かんないんですが」 菫「うちは照が不動のエースだからな。あいつの稼ぎっぷりは見てて分かりやすいだろう」 照「えっへん」 淡「私はまだ本気出してないだけだもん! 本気ならもっと強いから覚えておくこと!」 誠子「というか清澄は君の指導はしてないの?」 京太郎「あー、うちは女子が定員ぎりぎりだし顧問も麻雀分かってないので、時間割いて教わる相手が……」 尭深「それは、寂しいね」 照「うん、京ちゃんは伸びしろはある。なのに育てないのは怠慢」 淡「え、そーなの?」 菫「ふむ、照がそこまで太鼓判を押すとはな。よかったら君、うちの部員と何回か打ってみないか? 多少は参考になるだろう」 京太郎「いいんですか!? うわー、白糸台の方々は気前がいい上に美人で、しかも気が利くなんて……尊敬しちゃいます!」 淡「ふっふーん! まあ私が美少女なのは疑う余地もないからね! この淡ちゃんが教えてあげよー!」 都合半日、白糸台の面々は親切にもいろいろと教えてくれた。俺はお暇してからメモ帳を取り出し、 京太郎「よし、なかなか偵察の収穫あったぞ。ところでもらったこの電話番号やアドレス、どうしよう? まあ今後何かの役に立ちそうだし持っておくか」 こんな偵察をいくつもの高校で繰り返したため、他校の女子からロックオンされるなどと言う弊害に気付いてなかった。 カン
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6210.html
特別編 side千里山 京太郎と竜華が付き合ってます △月□日 竜華さんと付き合い始めてしばらく経った 本当に俺にはもったいないくらいのいい人である が、エロいことができない 竜華さんが嫌がってる訳でもなく、俺はむしろいつでも来い、なんだが なんだろう、いざそういう雰囲気になると誰かに見られている気がする この前はふと横を向くと、ちっさい怜さんが見えた 何かの見間違いだとは思いたいが、明らかにこちらを見ている小さい怜さんのせいで、続きをできない 別に竜華さんも不満を言ったりはしないが、これでは駄目だろう あの小さい怜さんをなんとかするべきか。でも竜華さんに言うべきか? 小さい怜さんが見えますって?言える訳がない どうすればいいんだ 竜華「……怜ぃー……やっぱあんたやったんか……」 怜「いややなー。邪魔しとる訳やないで?」 セーラ「いや明らかに邪魔やん」 怜「ちゃうで。ちょっと見たかっただけや」 泉「それホンマ邪魔ですやん!?」 浩子「そんな覗き見みたいなことでオカルトせんでくださいよ」 怜「命がけの覗き見……かっこよくない?」 セーラ「命がけって付くと、なんかすごい感じするな」 竜華「せんよ!ホンマ邪魔やから!!」 怜「セーラー。竜華が京太郎とエロいことしたい言うていじめるー」 竜華「な!?そ、そんなん言うとらんやん!!」 怜「えー。今のはなぁー」 竜華「怜ー!!」 浩子「完全に遊ばれとるな」 泉「京太郎くんも苦労しそうですね」 カンッ!!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6062.html
《運命に依って心が通じる》 そう、それは本来繋がってなかった道かもしれない たまたま親戚が東京にいて、 たまたま東京の高校に進学することを許され、 たまたま親戚を通して知り合い、 たまたま気が合って、 たまたまお互い好きになった、 全部偶然かもしれない。 でも、その偶然が重なったから今、一緒にいる。 もしかしたら今頃長野でそのまま進学し、ハンドボールを続けていたか、あるいは何か別のことがあって麻雀をしていたかもしれない。 全く別のことをしている可能性もある。 そんなことを言い出したらきりがないだろう。 だから、ここにいるのは必然であり、奇跡だ。 京太郎「ただいまー」 理沙「ただいま」 京太郎「よいしょっと……それじゃ残りの荷物降ろしてくるわ」 理沙「手伝う!」 京太郎「ダメダメ、理沙はゆっくりしてて」 理沙「」ムー 京太郎「そんな顔しても許しません!」 理沙「」ショボーン 京太郎「そ、そんな顔しても……くっ」 理沙「もう一押し」 京太郎「はっ、駄目ったら駄目だ!理沙の仕事はゆっくりすること!」 理沙「わかった」 京太郎「まったく……うちの両親に感化され始めてから押しがつえーんだから……」 理沙「いい両親」 京太郎「俺は振り回されっぱなしだよ!」 京太郎「ふぅ……うん、こんなもんか」 理沙「ありがと」 京太郎「なんのなんの」 京太郎「さて、これどう配置する? 赤ちゃんグッズ」 理沙「見えるとこ!」 京太郎「そりゃそうだけど、うーん……ほらこことか良いスペースだけどキッチンからだと隠れるじゃん。キッチンからでも見える位置にしたいよな」 理沙「……!テレビの位置!」 京太郎「あー、それがいいかも。変えるしかないな」 京太郎「でもテレビ台重いしなぁ……前は父さんに手伝ってもらったけど、最近腰やっちゃったって言ってたしな……」 理沙「みさき!」 京太郎「みさきさんの彼氏手伝ってくれっかな?忙しそうだし予定合うかどうか」 理沙「来る」 京太郎「あ、そうなんだ。そん時に頼んでみようか」 理沙「」クイクイ 京太郎「ん、おいで」 理沙「」ギュー 京太郎「やっぱりちょっと不安になる感じか?」 理沙「……」コクリ 京太郎「とりあえず座ろっか」 理沙「」コクリ 京太郎(一緒に買い物行ったからかな?) 京太郎(いやいや、やっぱこういうのは一緒に選ぶもんだろ。間違ってない。こうなるのは仕方無いことなんだ) 京太郎(何か話題……) 京太郎「あ、そういや見てもらいたいもんがあるんだ」 理沙「?」 京太郎「子供の名前さ、理沙がこんな名前が良いっていくつか挙げてただろ?」 理沙「」コクリ 京太郎「そんなかの一つに俺が漢字当てはめて占いしてもらってきたんだよ。それがこれ」 『沙耶果』 京太郎「『耶』は他の人の声を聞くことに長けていて、人が集まってくるって意味があって『果』はそのまま果たす、果実に使われてる通り実らせるって意味がある」 京太郎「そこから人を尊重しつつ自分の夢も果たし、他の人が集まってくるような、しっかりした明るい子に育って欲しいって意味を込めたんだけど……どうだ?」 理沙「良い名前!」プンスコ 京太郎「……ほんとはな、『沙』を『早』に変えたほうがいいって言われたんだ。そっちのが運勢的にいいらしい」 理沙「……」 京太郎「でもさ、やっぱ『沙』の字を使いたかったんだよ」 京太郎「俺が一番好きな人の名前からあやかりたかったからさ」ポリポリ 京太郎「あ、でも、あれなんですよ。『沙』には悪いものを捨てるって意味あるから、やっぱ良い子に育ってほしいしな」 京太郎「名前の意味欲張りすぎたかな?」アハハ 京太郎「名前占いも秘められた内面?の占い結果が悪かっただけで他の結果はいいんだって」 京太郎「ほら、性格なんて最大吉でさ、話上手とか人に喜びを与えるとかべた褒めで ギューー 京太郎「り、理沙?」 理沙「…………」ヒック 京太郎「」ナデナデ 理沙「あ、ありがと」ポロポロ 京太郎「……こちらこそ。いつもお世話になってるしな」 理沙「ほんと?」 京太郎「ほんと」 京太郎「だからこうやって甘えてくれると嬉しい」ニコ 理沙「……子供」 理沙「もう一人」 京太郎「え?気早くない?まだ一人目産まれてないぞ」 理沙「京太郎から名前もらう」 京太郎「……あはは、なんかそう堂々と言われると恥ずかしいな」 京太郎「ん?てことは俺が考えた漢字は……」 理沙「採用!」 京太郎「よっしゃ!頑張って考えた甲斐があったぜ!」 理沙「」クス 理沙「……」 京太郎「……」 雰囲気に誘われてか、どちらからともなくキスをする。 自分達の空間を甘美な空気で満たしていく。 そう、ここは二人で作りあげた部屋 ―せかい―。 他の人に後押しされ 笑い合って 冗談を言い合って 恋人がするようなことをし 時には喧嘩をしたこともあった。 そうして繋がっている。 まるで最初の頃が嘘のよう。 最初は全く考えてることがわからなくてどうしようかと悩んだものだ。 それが今では言葉にしなくても理解できる。 必然であり、奇跡。 こういうのを『運命』って呼ぶのだろう――― カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6138.html
出会い 桃子「はぁ・・・・」 東横桃子は子供の頃から影が薄く人の気付かれる事が多くなかった。 勿論、両親もたまに桃子の姿を見失ってしまう事も少なくなく、桃子を完全に認識できる誰もいなかった。 ただ、一人の少年に出会うまでは…。 少年「お~い」 ふと、遠くでこちらに向かって声をかける少年がいた。 桃子は『どうせ私の後ろにいる友達に声をかけてるっす』と自虐的に心の中でそう思ってると 少年「お前に声かけてるんだけど・・・?」 桃子は声のする方を見ると目の前には金髪の少年がすぐ近くにいた。 影が薄く人に気付かれにくい桃子は何度も人とぶつかるような距離になることは多く、その全てにおいてぶつからない様に避けていた彼女にとって『気付かれている相手』と『ぶつかりそうな距離』になるなんて初めての体験だった。 桃子「あ・・・あの・・・私のこと見えるっすか?」 桃子は恐る恐る金髪の少年に聞いてみた。 少年「何を言ってるかわかんないけど・・・・・一人なら一緒に遊ぼうぜ」 少年はそう言いながら桃子に手を伸ばした。 人に無視され続けた少女にはその手は少年の髪の毛と相まってとても眩しく見えた。 少年「俺、須賀京太郎。お前は?」 桃子「・・・わ、私は東横桃子っす!」 それが桃子と彼との出会いであった。 小学生の頃 桃子「京太郎くん。話があるっす」 京太郎「んー?」 桃子「今私たちのクラスでは仲のいい友達とあだ名で呼び合うってのが流行ってるらしいっす」 京太郎「あーそういやそんなこと俺のクラスでもあったようななかったような・・・」 京太郎「でもまぁ気にすることないんじゃねー?」 京太郎「桃子は桃子だろ?」 桃子「そりゃそうっすけど・・・」ウワメヅカイ 桃子「私、もっと京太郎くんと仲良しになりたいっす」 京太郎「よ、呼びたかったら勝手に呼べばいいだろ・・・」マッカ 桃子「やったっす! じゃあじゃあ」ピョンピョン 桃子「京太郎くんのことを今日から京さんって呼ぶっす!」 桃子「これでまた仲良しの階段を上ったっすよ!」 桃子「あ、私ばっか喜んでる場合じゃないっすよね」エヘ 京太郎「あんなにはしゃいでたのにクラスの誰一人も気付かないって・・・」 桃子「昔はこの体質が嫌だったっすけど、今は京さんがいるからへっちゃらっす」ニヤニヤ 京太郎「何度も友達作れって言ったのに今だに俺だけとか・・・」メソラシ 桃子「そんなことどうでもいいことっすよ!」 桃子「今は京さんが私にあだ名をつけることが重要っす!」エッヘン 京太郎「んーそうだなぁ・・桃子だから・・・」 桃子「・・・・・」ワクワク 京太郎「じゃあ今日から桃子のことモモって呼ぶことにする」 桃子「おーなんかあだ名で呼ばれるとムズムズするっすね」 京太郎「モモも俺のこと京さん・・・だっけ? そう呼ぶみたいだしさ」 桃子「これで私たちもあだ名で呼び合う仲っすね!」テヲサシダシ 京太郎「そうだな。これからも仲良くしようぜ」テヲニギリ 桃子「もちろんっす。ずっと仲良しっすよ」ギュウ 桃子(どうか末永くこの時間が続きますように・・・♪) 小学中学年 京太郎「そういや来週から林間学校なんだけどさ」 桃子「勿論、京さんと班が一緒っすよ」 京太郎「先生が気を利かせて一緒の班にしたんだろ」 桃子「えへへーちょっと嬉しい気遣いっすね」テレテレ 京太郎「準備した?」 桃子「もちろんっす」エッヘン 桃子「トランプにUNOにジェンガに花札にオセロに」 京太郎「ちょっと待て」 桃子「え、まだたくさんあるっすよ?」 京太郎「それ全部やるつもり?」 桃子「もちろんっす!」 京太郎「トランプだけにしようぜ」 桃子「えーもっと京さんと色々遊びたいっすよー」 京太郎「いいから」 桃子「京さんが言うなら・・・」シブシブ 当日 バス内 京太郎「すぅ・・・すぅ・・・」 桃子「んぅ・・・きょーさん・・・」 先生「あらあら、移動で疲れて寄り添って寝てるのね」 桃子「・・・えへへ」 小学校中学年 フォークダンス 京太郎「おい」 桃子「どうしたっすか?」 京太郎「なんで俺がフォークダンス踊れないんだよっ?!」 京太郎「なんでモモと一緒に皆でフォークダンス踊ってるの見てないといけないんだよ?!」 桃子「練習でもそうだったっすけど、フォークダンス踊っても誰も私の手を握れないからっすね」キッパリ ※先生が気を利かせて二人を見学にさせたようです。 京太郎「でもさ、そんなことねーよ」テヲニギリ 京太郎「ほらな」 京太郎「モモの手、握れるじゃん」 桃子「京さん・・・//」ポッ 京太郎「ここで皆のフォークダンスを見てるのなんか悔しいからさ」 桃子「そうっすね・・・。そうっすね!」 京太郎「俺たちも踊ろうぜ」 桃子「私の踊りに付いてこれるっすか?」 京太郎「あったりまえだ。ずっとモモと練習してきたんだからな」 先生「あの二人、なんだか楽しそうでよかったわ」 小学高学年 修学旅行 桃子「今日は待ちに待った修学旅行っすね!」 京太郎「ああ、そうだな」 桃子「まさか同じ班になれるとは思ってなかったっす」 京太郎「ああ、そうだな」 桃子「京さん、私の話聞いてるっすか?」 京太郎「ああ、そうだな」 桃子「同じ班の人が「須賀くんしか東横ちゃんとお似合い人いないと思うから」って言ってくれて」テレテレ 桃子「これで二人きりっすね」 京太郎「ああ、そうだな」 桃子(むむむー) 桃子「えいっ」ギュ 京太郎「くぁwせdrftgyふじこ」ビクッ 桃子「えへへー今日は思う存分楽しむっすよー」 京太郎「わかったわかったから抱きつくなって///」 桃子「はーい」ニコニコ 京太郎「ったく・・・向こうの水族館にみんな行くみたいだからそっち行くぞ?」 桃子「了解っす」 京太郎「ほれ」テヲダシ 桃子「はいっす」テヲニギリ 京太郎「迷子にならねーよーに離すんじゃねーぞ」 桃子「死んでも離さないっす!」 京太郎「縁起でもないこと言うんじゃねーよ」 桃子(京さんはいつも私の手を引いてくれるっす) 桃子(だから絶対何があってもこの手だけは離さないっすよ) 京太郎「ほら、皆待ってるぞ」スタスタ 桃子「京さん、ちょっと速いっすー」トテトテ 中学1年(春) 京太郎「・・・モモ」 桃子「グスッ・・・なんっすか京さん」 京太郎「そんなに泣くなって」 桃子「だって今日で京さんが・・・遠くに行っちゃうっす」グスグス 桃子「だからもう遊べなくなるって思ったらすっごく悲しくなって」 桃子「それにっそれにっ」 京太郎「携帯番号もメールアドレスも知ってるんだから心配すんなって」 桃子「毎日してくれるっすか?」 京太郎「おう、毎日してやる」 桃子「ん・・・うん・・・それなら我慢するっす」 京太郎「また会えるし長い休みになったら会いにくるから」 桃子「絶対・・・絶対っすよ?」 京太郎「おう! 男に二言はないぜ」ナデナデ 桃子「あぅ・・・わかったっす」 桃子「京さんに逢えるの楽しみに待ってるっす」 京太郎「いっぱい遊ぼうな」ナデナデ 桃子「はいっ!」 須賀母「ちなみに引っ越し先は県内だからすぐに遊びに来れるわよー」 京・桃「 」 ※ちなみに咲ちゃんに京太郎が出会うまで毎週のごとく二人で遊んでいたようですがまたそれは別のお話です ステルス少女とチョコレート 桃子「京さん。バレンタインチョコあげるっすよ」ワタシ 京太郎「おっマジか。サンキューモモ」ウケトリ 桃子「京さんは今日何個貰ったっすか?」 京太郎「・・・・・・・言わせんな恥ずかしい」 桃子「あははは、京さんカッコいいからもっと貰ってるかと思ったっすよ」 京太郎「幼馴染みのモモくらいだよ・・・・やっぱりこの髪の毛のせいなのかな・・・」 桃子「絶対ダメっすよ! 黒とかに染めたりしたら」ゴッ 京太郎「お、おう・・・モモがそこまで言うなら・・・変えないけどさ」ゾクゾク 桃子(京さんの髪色はいつも眩しくて綺麗っすからね) 京太郎「ん? 俺の髪の毛になんかついてる?」 桃子「なんにもついてないっすよ」 京太郎「そっか。ありがとなチョコ」ナデナデ 桃子「な、何するっすか?!//」マッカ 京太郎「チョコのお礼」ナデリナデリ 桃子「そんなことされたら髪の毛くしゃくしゃになっちゃうっすー///」 桃子(私のほうこそ京さんに沢山のもの貰ってるっすよ♪) 桃子(だからこれからもどんどんお返しするから覚悟するっすよ、京さん♪) スキンシップは突然に 桃子「きょーさん♪」ダキッ 京太郎「うわっ何するんだよ!」 京太郎(モモのおもちが背中にっ!) 桃子「お久しぶりっす」 京太郎「昨日ぶりじゃねーか//」アタフタ 桃子「10時間以上会えなかったっすよ?」 京太郎「分かったからそれより早く離れてくれ///」 京太郎(じゃないと俺の理性が) 桃子「いやっすね」ムギュゥ 京太郎(ふぉぉぉぉぉおもち最高ぅぅぅぅぅ!!!) 桃子(耳まで真っ赤になってるっす・・・あと一押しっす) 京太郎(鎮まれ俺のリー棒、ここでリーチ立てたら変質者扱いされるぅぅぅぅ) 京太郎「うぉぉぉぉぉぉ!!!」ブンブン 桃子「きゃっ」ハンシ 桃子「何するっすか!?」 京太郎「そりゃお前のほうだろうがっ」 桃子「だって寂しかったっすもん」ションボリ 京太郎「あー・・・俺も寂しかった・・・・・ぞ?」 桃子「えへへー」ニカー 桃子「以心伝心っすね!」 京太郎「そりゃ小学校からの付き合いだし」 桃子「これからもずっと一緒にいるっすよ」 京太郎「いやいや高校違うんだからずっとは無理だろ」 桃子「そりゃそうっすけど・・京さんと一秒でも長く傍に居たいっす」 京太郎「仕方ねぇな、モモが一人立ち出来るまで傍にいてやるよ」 桃子「嬉しいっす!」 桃子(私が一人立ち出来るようになったら、その時の隣は京さんだけっすよ♪) ステルス少女はお料理上手? 京太郎「おはようさんっ」 桃子「おはようっす、京さん! 逢いたかったっす」 京太郎「昨日夕飯作りに行ったろうが」 桃子「また作りに来てくれるっすか?」 京太郎「また今度な」 桃子「約束っすよ? 破っちゃイヤっすよ?」ウキウキ 京太郎「ほら早く行くぞ?」スタスタ 桃子「待ってくださいっす~」 京太郎「あー」フリカエリ 桃子「どうかしたっっすか?」コクビカシゲ 京太郎「別にモモが俺の家来て晩飯作ってくれてもいいんだぜ?」 桃子「・・・・・」ポカーン 京太郎「あーモモの料理上手いからたまには・・・な」ポリポリ 桃子「・・・・・・・」ウツムキ 桃子「・・・・・・・・・・」プルプル 京太郎「どうしたんだモモ?」 桃子「いよっしゃああああああああああっす!!!」ガッツポーズ 京太郎「・・・・・・っ」キーン 桃子(母から教えてもらった『男は胃袋から落とせ作戦』が実りつつあるっすね!) 桃子(このまま結婚までステレスモモの独壇場っすよ!) ラブレターとステルス少女 小学校編 京太郎「・・・・ん?」ポカン 桃子「どうしたっすか?」 京太郎「いや、なんでもないわ」イソイソ 桃子「ならいいっすけど・・・」 桃子(なんだか怪しいっすね) 京太郎(初めてラブレター貰っちまった・・・!)ガッツポーズ 桃子(なんか嫌な予感がするっす) 京太郎「モモ、早く教室行こうぜ」テクテク 桃子「待ってくださいっすー京さんー」コバシリ 桃子(隠し事したって無駄っすよ!) 桃子(京さんの隠し事なんで全て暴いてやるっす) 京太郎「はぁ・・・結局断っちまった」 桃子「えへへ、嬉しいっすね」ニコニコ 京太郎「だって・・・モモ友達いないし」 京太郎「というか、そもそもモモが友達を作らないからでモモに友達の一人や二人がいたら俺だって告白だって受けてたっつーの」 桃子「京さんにこんなに考えてもらえるなんて私は世界一幸せっすね!」ニコニコ 京太郎(俺がラブレター貰ったって知ったら死にそうな顔してたくせによく言うぜ・・・) 京太郎「このことが知れ渡ったら他に告白してくれる子なんていないだろうしなぁ」 桃子「むー私がいるじゃないっすか!」 京太郎「モモは人から認識されないから一人で空気に話しかけてるみたいになるから」トオイメ 桃子「・・・・・・もうバレンタインも誕生日もクリスマスも初詣も一緒に過ごしてあげないっす」プイッ 京太郎「私めが悪うございました」ドゲザ 京太郎「この私と一緒に過ごしていただけないでしょうか?」フカブカ 桃子「もう~京さんは仕方ないっすね~」 桃子「私は優しいのでそんな京さんを見捨てないで一緒に過ごしてあげるっす」ニコニコ 京太郎「ははーありがたき幸せー」 桃子「くるしゅうないくるしゅうないっすよ」 桃子(こんな日が続くならずっと友達はいなくていいっす) 桃子(京さんが一緒にいてくれるならっす♪) ステルス少女と嶺上少女 桃子「むむむ」グルル 咲「ううう」アウアウ 桃子「京さん! これはどういうことっすか!?」 京太郎「えっと・・・これには深い訳があって・・・」ヒヤアセ 桃子「どうせ京さんのことだからこの子が教室で一人ぼっちになってるのを見てついつい話かけて仲良くなっちゃったんっすよね」 咲(この子もあだ名で呼んでる。なんか嫉妬しちゃうなぁ) 京太郎「・・・さすがモモだな、その通りご名答っす」アハハ 京太郎「とりあえずお互いのこと分からないしさ、自己紹介しよう。な?」 咲「えっと・・・あの、私は宮永咲って言います」 桃子「どうもっす。私は東横桃子っす」ジー 咲「京ちゃんとは同じ中学校で同じクラスです」 桃子(京ちゃん? むむーあだ名で呼ぶなんてライバル出現っすね) 咲「えっと、読書が趣味であんまり人と話すのが苦手だったんだけどね」 咲「ある日、そんな私に京ちゃんが話しかけてくれてそれをきっかけに仲良くなって今に至るというわけです」ニッコリ 桃子「私は小学校の時に京さんに一人でいるところを遊びに誘ってもらって以来ずっと仲良しさんっす」ニッコリ 桃子「もちろん何度もお互いの家に行ったり、お泊りもしたっす」 桃子「私と京さんとは幼馴染みだから当然っす」 咲「私は京ちゃんと一緒にお昼食べたり一緒に登下校してるもん」 桃子「・・・・」 咲「・・・・」 京太郎(・・・どうしてこうなった) 桃子「京さん!」ゴッ 咲「京ちゃん!」ゴッ 京太郎「はい! 何でございましょう?!」ガタガタ 桃子「今日は」ギュウ 咲「私と」ギュウ 京太郎「なぜ二人は俺の両手を掴んでるでしょうか・・?」ガタガタ 桃子「遊ぶっす!」 咲「遊ぶんだからね!」 ※この後色んな場所に連れ回されたようですがそれはまた別のお話 てるてるステルス 京太郎「ただいまー」 照「おかえり」 京太郎「・・・誰です?」 照「酷い・・・あんなに愛し合った仲なのに・・・」 京太郎「誰かが聞いたら誤解するようなこと言わないで下さい!」 桃子「・・・京さん?」ニッコリ 京太郎「誤解だあああああああああああ!!!」 桃子「もちろん京さんがそんなことしないって信じてるっす」 桃子(あんなに抱きついたりしても手の一つも出してこないっすもんねぇ) 桃子「で、この女性はどちらさまっすか?」 京太郎「咲のお姉さん。宮永照さんだよ」 桃子「あーなるほど。確かにそっくりな部分があるっすね」 照「なんか貶されてる気がするんだけど」 京太郎「き、気のせいじゃないっすかねぇ?」 照「京太郎、咲が今日休んだと思うんだけど何か持って行く物ある?」 京太郎「相変わらず律儀ですね」ガサゴソ 京太郎「はい、これですね」ワタシ 照「ありがと」ウケトリ 桃子「あ、照さん」 照「?」 桃子「私、東横桃子っす。咲ちゃんとは仲良くさせてもらってるっす」 照「咲から聞いてる。影の薄い女の子と友達になれたって」 照「でも咲は強いよ?」 桃子「もちろん負けないっすよ」 照「ふふ」 桃子「えへへ」 京太郎(俺の家なんだけどなぁ) ステルスと宮永姉妹と麻雀と 京太郎「」 桃子「ごめんなさいっす」 咲「ごめんね京ちゃん」ペコリ 照「今日もお菓子が美味しい」ポリポリ 京太郎「いやうん仕方ない初心者だし」 京太郎「それにしても皆すげー・・・こういう場合は強いでいいのか?」 桃子「そりゃそうっすよ」エッヘン 桃子(京さんと会えないから麻雀ばっかりしてたなんていえないっす///)イヤンイヤン 京太郎(モモがトリップしてる・・・話しかけないでおこう) 京太郎「そういや咲もすげー強いよな」 京太郎「なんつーかそこの違うとこの牌であがったりとか」 京太郎「照さんは南場?になったらずっとあがり続けてたり」 京太郎「咲があがらなかったら点数なくなってたぜ?」ナデナデ 咲「あぅぅ・・・///」プシュー 照「ちなみに私はまだ後三回の変身を残してる」 京太郎「勘弁してくださいマジで洒落にならないっす」ガタガタ 照「冗談」ポリポリ 京太郎「真顔で言われると冗談に聞こえないんですけど」 桃子「そういえば京さん」 京太郎(お、トリップ状態から帰ってきたのか) 京太郎「んー?」 桃子「携帯のアプリで麻雀出来るっすよ?」 京太郎「あるのは分かるけど、そういうのって沢山あってどれがいいかわからないんだよなぁ」ポチポチ 桃子「ちょっと見せるっす」ズイッ 京太郎(うぉぉ・・胸が肩に・・当たってる・・・モモのやつまた大きくなったか?///)マッカ 咲「京ちゃん鼻の下伸びてる」ジトー 照「やっぱり男の子だね」 京太郎(見られてるぅぅぅぅぅ////) 桃子「京さん、ちゃんと聞いてるっすか?」ギュウ 京太郎(さらに押し付けてきた!//) 京太郎「あ、ああ。ありがとなモモ//」 桃子「京さんのためだったら全然大丈夫っす」ハナレ 桃子「あと、麻雀で分からないことがあったら私に聞いて欲しいっす」 京太郎「ああ、頼らせてもらうぜ! 後でメールで送るからアプリで麻雀しようぜ」 桃子「もちろんっす。京さんの頼みであればたとえ火の中水の中っすよ」 京太郎「ありがてぇありがてぇ」ナムナム 咲「お姉ちゃん」 照「なに?」 咲「私も携帯欲しいんだけど」 照「じゃあ今度家族麻雀でお父さんから勝って買ってもらおう」 咲「ふふ、麻雀って楽しいよね」ゴッ 界「」ゾクッ 界「今なんか寒気が」 ※この後家族麻雀でボコボコにされた界さんがいらっしゃいますが本編とは関係ありません 海だ水着だステルスだ!~水着選び編~ 京太郎「夏と言えば海だよな!」 桃子「あー確かにっす」 京太郎「というわけで海に行こうぜ」 桃子「いいっすよ」 桃子「ただし、今から水着買いに行こうと思うんで京さんにも着いて来てもらうっす」ギュ 京太郎「ア、ハイ」 デパート~女性水着売場~ 桃子「京さ~ん」 京太郎「あのさ、ここにいるのすげー気まずいんだけど・・・」 桃子「逃げたら許さないっすからね!」 京太郎「逃げないから安心しろって」 桃子「私的にはこっちの黒のビキニとかもいいと思うっすけど京さんはどれがいいと思うっすか?」 京太郎「そうだなぁ・・・これとか?」 桃子(白のセパレートタイプっす。これを着て欲しいってことっすかね?) 桃子(ちょっと照れるっすね///) 桃子「京さんが着て欲しいなら・・・これにするっす///」 京太郎「おう、似合うと思うぜ///」 桃子「そうっすか///」 京太郎「ああ///」 桃子「じゃ、じゃあお会計に行って来るっす///」 京太郎「ちょっと待て」 桃子「え?」 京太郎「それ買ってやるよ」 桃子「いやそれは悪いっす。自分で払うっす」 京太郎「いいから。俺が海行きたくて俺がモモの水着も選んだんだからそれくらいさせて」 京太郎「たまには男をたたせてくれって」ニコッ 桃子「むぅ・・・じゃあ京さんの水着は私が払うっす!」 京太郎「あープレゼントみたいに?」 桃子「もちろんっす」 桃子「じゃなきゃその水着は私が払うっす」 京太郎「わかったわかった。じゃあそれでいいから」スタスタ 桃子「京さんに似合う水着選んどくっすー」テクテク 京太郎「さてと、お会計するか」 ※海水浴編に続きます お泊り会~小学校編~ 桃子「えへへー京さんと一緒のお布団っす」 京太郎「モモももっと近くにこいよ」 桃子「はいっす」 桃子「なんかこうしてると昔の私が嘘みたいっす」 京太郎「昔のモモのことはわかんねーけど、今のモモはすっげー楽しそうだぜ」 桃子「そりゃそうっすよ! だって最高の友達が出来たっすから!」 京太郎「俺もモモのこと最高の友達だと思ってるぜ」 桃子「仲良しさんっすね私たち」 京太郎「当たり前だろ」ナデナデ 桃子「えへへーっす」スリスリ お泊り会~中学校編~ 桃子「京さーん、なんで別の布団に入るんすかー」 京太郎「そりゃ昔みたいに同じ布団に入るなんて出来ないからな」 桃子「私は気にしないっすよー?」 京太郎「俺が気にするの!」 桃子「もーじゃあ、手だけでもいいんで握ってくださいっす」 京太郎「まぁ、それくらいなら」ギュウ 京太郎(やわらけぇ) 桃子「京さんと手を繋いでるとなんだか安心するっす」ニコニコ 桃子(本当は抱きつきたいっすけどね) 京太郎「モモはやっぱり寂しいか?」 桃子「そうっすね、学校行っても京さんがいないって思うと寂しいっす」 京太郎「いまさらだけどごめんな」 桃子「全然大丈夫っす。こうやって私のワガママでお泊りさせてくれるだけで」 京太郎「・・・・」 桃子「どうしたっすか?」 京太郎「悪い」モゾモゾ 桃子「こっちのお布団の方がいいっすか?」 京太郎「俺もちょっと寂しかったしな」ナデナデ 桃子「私、京さんの手で頭撫でられるの結構好きっすよ」 京太郎「そっか」ナデナデ 桃子「えへへー」ニコニコ